社会心理学

帰属理論:原因の捉え方が行動を変える

うまくいった、いかなかった。その原因をどう捉えるかが、次に続けるかどうかを大きく左右します。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

帰属とは何か

帰属とは、人が出来事や行動の原因をどこに求めるかという推測のプロセスを指します。同じ結果でも、原因をどう捉えるかによって、その後の感情や行動が変わります。

運動や食事の取り組みでも、うまくいったときやつまずいたときに、本人がその原因をどう解釈しているかを知ることは、支援の重要な手がかりになります。

原因の捉え方の主な次元

原因の捉え方は、いくつかの次元で整理されます。原因が自分の内にあるか外にあるか、変えられるものか変えにくいものか、いつも当てはまるか今回だけかといった軸です。

たとえば失敗の原因を、自分には能力がないという変えにくい内的要因に帰すと、やる気を失いやすくなります。一方、努力ややり方という変えられる要因に帰すと、改善の余地を感じて続けやすくなります。

  • 内的か外的か:原因が自分にあるか状況にあるか
  • 安定的か不安定か:変わりにくいか変えられるか
  • 全般的か限定的か:いつもそうか今回だけか

基本的帰属の誤り

他者の行動の原因を、状況の影響よりもその人の性格や能力に求めすぎる傾向は、基本的帰属の誤りとして知られています。指導者がこの傾向に陥ると、クライアントを意志が弱いと決めつけがちです。

実際には、続かない背景には時間や環境、体調などの状況要因が関わっていることが多いものです。本人の人格ではなく、行動を妨げている状況に目を向ける姿勢が支援の質を高めます。

前向きな帰属を促す支援

つまずいたとき、原因を能力のなさに帰すのではなく、やり方や負荷の調整といった変えられる要因に目を向けられるよう手伝うことが有効です。これにより、次への行動意欲が保たれやすくなります。

うまくいったときには、本人の努力や工夫を具体的に振り返ると、自信と継続につながります。結果だけでなく過程に注目したフィードバックが鍵になります。

  • 失敗は変えられる要因に目を向けるよう促す
  • 成功は本人の努力や工夫として振り返る
  • 結果だけでなく過程をフィードバックする

自己奉仕的バイアスへの理解

人には、成功は自分の手柄に、失敗は外部のせいにしやすい傾向があります。これは自己奉仕的バイアスと呼ばれ、自尊心を守る働きがあります。

この傾向自体は自然なものですが、行きすぎると改善の機会を逃します。指導者は本人の自尊心を尊重しつつ、現実的に変えられる点を一緒に探すバランスが求められます。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

帰属理論を運動指導にどう活かせますか。

クライアントがつまずきの原因を能力のなさに帰している場合、努力ややり方など変えられる要因に目を向けられるよう支援すると、継続意欲が保たれやすくなります。成功時は過程を振り返ると自信につながります。

基本的帰属の誤りとは何ですか。

他者の行動の原因を、状況の影響より性格や能力に求めすぎる傾向です。指導者がこれに陥ると、続かない人を意志が弱いと決めつけがちになります。状況要因にも目を向ける姿勢が大切です。

失敗の捉え方はなぜ重要なのですか。

失敗の原因を変えにくい内的要因に帰すとやる気を失いやすく、変えられる要因に帰すと改善の余地を感じて続けやすくなります。原因の捉え方が、その後の行動を大きく左右するためです。

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