エビデンスリテラシー

交絡とバイアス|研究の信頼性を左右する要因

研究結果が歪む原因には、交絡とバイアスがあります。これらを理解すると、結果を鵜呑みにせず正しく評価できます。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

交絡とは何か

交絡とは、調べたい要因と結果の両方に関連する第三の要因が、見かけ上の関連を作り出してしまう現象です。たとえば運動習慣と健康の関連を見るとき、食習慣のような要因が両方に影響していると、運動の効果を過大・過小評価してしまいます。

  • 原因と結果の両方に関わる第三の要因
  • 見かけ上の関連を生む
  • ランダム化や統計的調整で対処する

選択バイアス

選択バイアスは、研究対象の選び方が偏ることで生じます。たとえば運動教室に自ら参加した人だけを対象にすると、もともと健康意識が高い人が集まり、効果が大きく見えることがあります。

情報バイアス

情報バイアスは、データの測定や収集の過程で生じる偏りです。対象者が過去の食事を正確に思い出せない思い出しバイアスや、評価者が群を知って評価が偏る場合などが含まれます。

  • 思い出しバイアス(記憶の不正確さ)
  • 測定バイアス(評価方法の偏り)
  • 盲検化で一部を軽減できる

交絡への対処法

研究段階では、ランダム化や対象を限定する制限、背景をそろえるマッチングなどで交絡に対処します。解析段階では、層別解析や多変量解析(統計的調整)で影響を取り除こうとします。

ただし、未知の交絡や測定していない要因は統計的調整では除けません。観察研究の結論が「関連」にとどまり「因果」と言い切れないのは、この限界があるためです。

現場での読み方への応用

研究を読むときは「この関連は本当に介入のせいか、別の要因の影響ではないか」と問う習慣が役立ちます。とくに観察研究で『運動すると◯◯になる』という見出しを見たら、交絡の可能性を考えることが大切です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

交絡とバイアスは同じものですか。

異なります。バイアスは研究の設計や測定の過程で生じる系統的な誤りで、交絡は第三の要因による見かけの関連です。ただし両者とも結果を歪める点では共通します。

統計的に調整すれば交絡は完全になくせますか。

いいえ。測定された要因しか調整できず、未知・未測定の交絡は残ります。だからこそランダム化が因果推定に有利とされます。

観察研究の『関連』を因果と読んでよいですか。

原則として慎重であるべきです。関連はあっても交絡や逆の因果の可能性が残るため、因果と断定せず他の根拠と合わせて判断します。

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