キューイング

学習段階に応じてキューを変える

同じキューが、初心者には助けでも熟練者には邪魔になることがあります。段階に応じた調整を学びます。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

学習段階という視点

運動学習はおおまかに、動作の理解を進める初期段階、動きを洗練させる中期段階、ほぼ自動的に行える熟練段階へと進みます。それぞれの段階で、必要とされるキューの量と内容は変わります。

段階を無視して一律のキューを使うと、初心者には情報が足りず、熟練者には邪魔になることがあります。

初心者へのキュー

初心者は動作の全体像と要点をつかむ段階です。一度に多くを伝えず、最も重要な一点に絞り、明確で具体的なキューを使います。手本を見せる視覚キューや、身近なアナロジーも理解を助けます。

  • 要点を一つに絞って明確に伝える
  • 視覚的な手本やアナロジーを併用する
  • 成功体験を積ませて意欲を支える

中級者へのキュー

基本動作が安定してきた中級者には、動きの質を高める細かな修正や、外的焦点を使った効率化のキューが活きてきます。本人の感覚と動作の結果を結びつける問いかけも有効です。

熟練者へのキュー

熟練者は動作が自動化しているため、細部に意識を向けさせる内的キューがかえって動きを乱すことがあります。声かけは最小限にし、本人の自己調整を尊重します。微調整が必要な局面に絞って、短い外的キューを用いるのが扱いやすい方法です。

  • 過度な内的キューは自動化を妨げることがある
  • 声かけは最小限に、自己調整を尊重する
  • 必要な局面に絞って短いキューを使う

段階の見極め方

段階は年齢や経験年数だけで決まるものではありません。同じ人でも種目や動作が変われば初心者に戻ります。実際の動きを観察し、どの段階にいるかを見極めてキューを調整することが重要です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

経験年数が長ければ熟練者と考えてよいですか。

種目や動作が変われば、経験者でもその動作については初心者に近い状態になります。経験年数だけでなく、対象とする動作での実際の習熟度を観察して判断します。

熟練者に細かいキューを出すと逆効果になりますか。

自動化した動作に内的な細部の意識を向けさせると、かえってぎこちなくなることがあります。熟練者には声かけを最小限にし、必要な局面に絞るのが無難です。

初心者にアナロジーは難しすぎませんか。

身近で経験のあるたとえなら、初心者にも全体像を直感的に伝えられます。経験にない比喩は避け、相手が知っている事物を題材に選ぶことが条件です。

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