クライアント教育

行動変容ステージに応じたクライアント教育

人は一足飛びに行動を変えるのではなく、段階を踏んで変化します。クライアントが今どの段階にいるかを見極め、それに合った支援を行います。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

行動変容の段階という考え方

行動変容を、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期といった段階の連続として捉える考え方が広く知られています。各段階で必要な働きかけが異なるという前提が、この考え方の要点です。

クライアントの段階を無視して画一的に同じ指導をすると、準備ができていない人に行動を迫ることになり、抵抗や脱落を招きます。今いる段階に合わせることが効果を高めます。

無関心期と関心期への関わり

無関心期は、変化の必要性をまだ感じていない段階です。情報を一方的に押し付けるのではなく、現状への気づきを促し、関心の芽を育てることを優先します。

関心期は、変えたい気持ちはあるが迷っている段階です。変化の利点と障害を一緒に整理し、両価的な気持ちに丁寧に向き合うことが役立ちます。

準備期と実行期への関わり

準備期は、近いうちに行動を始めようとしている段階です。具体的な計画づくりや小さな第一歩の設定を支援し、実行への移行を後押しします。

実行期は、実際に新しい行動を始めた段階です。成功体験を一緒に確認し、つまずきへの対処法を準備しておくことで、定着につなげます。

維持期と逆戻りへの備え

維持期は、新しい行動が一定期間続いている段階です。油断や生活の変化で元に戻りやすいため、習慣を支える環境づくりと定期的な振り返りが大切です。

逆戻りは失敗ではなく、変化の過程で起こりうる自然な現象です。元に戻ったときに自分を責めすぎず、再び取り組めるよう前向きに捉える視点を共有しておきます。

段階を見極める質問

クライアントがどの段階にいるかは、会話から推し量れます。「変えたいと思っていますか」「いつ頃から始めたいですか」「もう何か始めていますか」といった問いが手がかりになります。

  • 変化への関心の有無を確かめる
  • 具体的な開始時期の意識を尋ねる
  • すでに取り組んでいる行動を確認する
  • 過去の挑戦と挫折の経験を聞く

段階に応じた目標の調整

無関心期の人に厳密な運動計画を渡しても実行されません。まずは関心を高めることが目標になります。段階が進むにつれて、より具体的で挑戦的な目標へ移行します。

クライアントの段階と目標の難易度がかみ合っているかを定期的に見直すことで、無理のない前進を支えられます。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

クライアントの段階は固定ですか

段階は前後に動きます。進むこともあれば逆戻りすることもあるため、その都度確認し、現在の段階に合わせて関わり方を調整することが大切です。

無関心期の人にはどう接すればよいですか

行動を急がせず、まずは現状への気づきを促します。本人が関心を持つきっかけを尊重し、押し付けにならない情報提供にとどめるとよいでしょう。

逆戻りしたクライアントへの言葉かけは

責めずに、これまでの努力を認めたうえで、何がきっかけだったかを一緒に振り返ります。逆戻りを学びと捉え、再開を支える姿勢が回復を早めます。

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