酸素運搬

酸素の運搬:ヘモグロビンと酸素飽和度

肺で取り込まれた酸素は、血液によって全身の組織へ運ばれます。その主役であるヘモグロビンと、酸素のやり取りを表す考え方を理解しましょう。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

ヘモグロビンの役割

酸素の多くは赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して運ばれます。ヘモグロビンは酸素と結びついたり離したりすることができます。

血漿に溶け込んで運ばれる酸素はわずかで、運搬の主役はヘモグロビンと考えられています。

酸素飽和度とは

酸素飽和度は、ヘモグロビンがどれだけ酸素と結合しているかの割合を示します。健康な人の動脈血では高い値を保っています。

パルスオキシメータはこの飽和度をおおまかに推定する機器として知られています。

酸素解離曲線の考え方

酸素飽和度と酸素の分圧の関係はS字状の曲線で表されます。これを酸素解離曲線と呼びます。

肺では酸素が多くヘモグロビンが酸素を取り込みやすく、組織では酸素が少なくヘモグロビンが酸素を手放しやすい、という性質を表しています。

曲線を動かす要因

酸性度の上昇、二酸化炭素の増加、体温の上昇などがあると、ヘモグロビンは酸素を手放しやすくなると考えられています。

運動している筋ではこれらの変化が起こりやすく、酸素が組織へ届きやすくなる仕組みと理解できます。

  • 酸性度の上昇で酸素を手放しやすくなる
  • 二酸化炭素の増加も同様に作用
  • 体温の上昇も酸素の放出を促す

運動と酸素供給

運動では筋の酸素需要が高まり、心拍出量の増加や血流の再配分によって酸素供給が支えられます。

持久的な能力には、酸素を運び利用する一連の働きが関わると考えられています。

指導での留意点

酸素運搬の理解は、なぜ持久力に心肺機能や血液の状態が関わるのかを説明するのに役立ちます。

ただし酸素飽和度の数値の解釈や貧血などの判断は医療の領域です。気になる所見があれば医療機関への相談を勧めます。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

酸素は血液でどのように運ばれますか。

多くは赤血球のヘモグロビンと結合して運ばれ、ごく一部が血漿に溶けて運ばれます。

酸素飽和度とは何を表しますか。

ヘモグロビンがどれだけ酸素と結合しているかの割合です。健康な動脈血では高い値を保ちます。

運動中の筋に酸素が届きやすいのはなぜですか。

酸性度や二酸化炭素、体温の変化により、ヘモグロビンが酸素を手放しやすくなるためと考えられています。

cortis Trainer Academy

学びを、現場で使える知識に。

基礎から評価・運動療法・医療連携まで。身体を診る専門職のための継続学習アカデミー。基礎は登録不要・無料。

無料の学習コースを見る →

関連記事・関連する学問