フリーウェイト

体幹固定(ブレーシング)と呼吸法

高重量のフリーウェイトでは、体幹を固める技術と呼吸の使い方が、力の発揮と脊柱の保護を両立させる鍵になります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

ブレーシングとは

ブレーシングは、腹部全体を固めて体幹を安定させる技術です。腹腔内圧を高めることで脊柱周囲の安定性が増し、高重量に対して胴体を一本の固い柱のように保てます。

単にお腹をへこませるのではなく、全方向に張るように腹部を固めるのが基本とされます。

腹腔内圧と脊柱の安定

横隔膜と腹筋群、骨盤底筋が協調して腹腔内圧を高めると、脊柱への負担がたわみにくくなり、安定した状態で力を発揮しやすくなります。

この体幹の固定は、スクワットやデッドリフトなど脊柱に負荷がかかる種目で特に重要です。

バルサルバ法

バルサルバ法は、息を吸って止め、声門を閉じた状態で力む呼吸法で、高重量挙上時に腹腔内圧を高めて体幹を安定させる目的で用いられます。挙上の困難な局面で短時間だけ行うのが一般的です。

ただし、いきみは一時的に血圧を大きく上昇させるため、高血圧や心血管系の問題がある方には注意が必要です。該当する場合は医師に相談して判断します。

  • 息を止めて腹腔内圧を高める
  • 高重量の難局面で短時間用いる
  • 血圧を上昇させるため既往者は要注意

対象者ごとの配慮

高血圧、心疾患、脳血管疾患などの既往がある方では、強いいきみを避け、軽い負荷で息を止めずに行う方法が選ばれます。運動の可否や方法は医療職と相談することが望まれます。

初心者にはまず軽い負荷でブレーシングの感覚を学習させ、息を止めずに体幹を固める練習から始めるのが安全です。

指導上のポイント

ブレーシングは口頭の説明だけでなく、軽い負荷での体感を通じて習得させると理解が深まります。挙上中に息を完全に抜いてしまうと安定性が損なわれる点も伝えます。

重量や局面に応じて呼吸法を使い分け、過度ないきみを習慣化させないよう配慮します。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

トレーニング中は息を止めるべきですか。

高重量の難しい局面で短時間息を止めて体幹を固めることはありますが、軽い負荷では息を止めずに行うのが基本です。血圧の問題がある方は強いいきみを避けます。

バルサルバ法は誰でも使ってよいですか。

高血圧や心血管系の既往がある方には血圧上昇のリスクがあるため適しません。該当する場合は医師に相談し、息を止めない方法を選ぶことが望まれます。

ブレーシングはどう練習すればよいですか。

まず軽い負荷や無負荷で、腹部を全方向に張る感覚を学びます。指で脇腹を押して張りを確認するなど、体感を通じて習得すると理解しやすくなります。

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