柔軟性評価

股関節屈筋群の柔軟性を評価する

股関節の屈筋群の硬さは、骨盤の傾きや姿勢に影響します。代表的なトーマステストの見方を理解すると、姿勢評価とつなげやすくなります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

股関節屈筋群を評価する理由

腸腰筋や大腿直筋といった股関節屈筋群は、股関節を曲げる働きを持ちます。これらの伸張性が低下すると、骨盤が前に傾きやすくなり、腰部や姿勢に影響することがあります。

デスクワークなどで座位時間が長いと、屈筋群が短縮した状態に適応しやすいと考えられています。柔軟性の評価は、姿勢や動作の課題を読み解く手がかりになります。

トーマステストの方法

トーマステストは、ベッドの端に仰向けになり、片方の膝を胸に抱えて骨盤を安定させ、もう一方の脚の状態を観察するテストです。反対側の太ももが浮く、膝が伸びるといった所見を見ます。

太ももが台から浮く場合は腸腰筋、膝が十分に曲がらない場合は大腿直筋の伸張性低下を示唆します。骨盤を安定させた状態で観察することが、正確な解釈につながります。

  • 片膝を抱えて骨盤を固定する
  • 反対の太ももが浮く=腸腰筋の制限
  • 膝が伸びる=大腿直筋の制限

個別の屈筋を見分ける

股関節屈筋群は複数の筋で構成されるため、所見の組み合わせから主因を推測します。太ももの外側に偏る、内外への動きが伴うなどの所見は、他の筋の関与を示すことがあります。

一つのテストですべてを断定するのではなく、複数の所見を合わせて解釈します。可動域測定や姿勢観察と組み合わせると、より確からしい評価になります。

姿勢・動作との関連

股関節屈筋群の硬さは、骨盤前傾や腰椎の前弯増強と関連して語られることが多い所見です。立位姿勢や歩行と合わせて見ると、柔軟性の意味づけが明確になります。

ただし姿勢は柔軟性だけで決まるわけではなく、筋力や習慣も影響します。柔軟性評価の結果は、姿勢評価の一部として位置づけて解釈することが望まれます。

評価時の注意点

腰部に痛みがある人や、股関節に既往がある人では、無理な肢位を避け、痛みのない範囲で観察します。痛みを伴う所見は、柔軟性以外の問題を示すことがあります。

テストの実施には適切な台と安定した骨盤固定が必要です。固定が不十分だと、骨盤の代償で所見が分かりにくくなるため、手順を丁寧に守ることが大切です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

トーマステストで何が分かりますか。

主に腸腰筋や大腿直筋など股関節屈筋群の伸張性を確認できます。太ももの浮き上がりや膝の伸びといった所見から、どの筋に制限がありそうかを推測します。

屈筋群が硬いと必ず腰痛になりますか。

必ずではありません。骨盤前傾と関連して語られますが、腰痛の原因は多様です。柔軟性は要因の一つとして捉え、他の評価と合わせて総合的に判断します。

自分一人でトーマステストはできますか。

簡易的に姿勢を観察することは可能ですが、骨盤の固定や所見の判定には評価者がいる方が正確です。正式な評価は専門職に依頼するのが望ましいでしょう。

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