水分補給

脱水の段階と見逃さないためのサイン

脱水は運動パフォーマンスを下げるだけでなく、進行すると健康を脅かします。どの段階でどんなサインが現れるかを知り、早期発見につなげましょう。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

脱水とは何か

脱水とは、体内の水分が摂取量を上回って失われ、体液量が不足した状態を指します。発汗、下痢、嘔吐、発熱、利尿などが原因となります。

脱水では水分だけでなくナトリウムなどの電解質も同時に失われることが多く、症状の現れ方は水分と電解質の失われ方のバランスによって変わります。

体重減少率と症状の目安

運動前後の体重変化は脱水の程度を推定する実用的な指標です。一般に体重の約2パーセントの水分損失でパフォーマンス低下が現れ始めるとされます。

さらに損失が進むと頭痛、強い口渇、集中力の低下、めまいなどが生じます。重度になると意識障害や体温調節の破綻に至るため早期対応が重要です。

  • 約2パーセント 持久力や集中力の低下が現れ始める
  • 約3から4パーセント 明らかな運動能力低下と不快感
  • それ以上 めまいや体調悪化のリスクが高まる

現場で使える観察指標

尿の色は手軽な脱水の指標です。淡い黄色であれば水分は概ね足りており、濃い黄色や褐色に近づくほど水分不足が疑われます。

のどの渇き、唇や口の中の乾き、皮膚の張りの低下、尿量の減少なども参考になります。ただし高齢者ではこれらの自覚が乏しいため、客観的な観察が欠かせません。

自発的脱水という落とし穴

運動などで多量に発汗した後、水だけを飲んでいると体液が薄まり、のどの渇きが早く収まってしまうことがあります。その結果、本来必要な量より少ない補給で満足してしまう現象を自発的脱水と呼びます。

これを防ぐには、適度に電解質を含む飲料を選んだり、のどの渇きに頼らず計画的に補給したりする工夫が有効です。

指導上の注意点

脱水のサインは個人差が大きく、自覚症状が出たときにはすでに進行していることも少なくありません。のどが渇く前のこまめな補給を基本方針として伝えましょう。

嘔吐や下痢を伴う脱水、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、自己判断での補給にとどめず、速やかに医療機関の受診を促す判断が必要です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

脱水はどのくらいの水分損失から問題になりますか。

体重の約2パーセントの水分損失で持久力や集中力の低下が現れ始めるとされ、これを目安に補給を計画すると安全です。

尿の色で脱水はわかりますか。

淡い黄色なら概ね水分は足りており、濃い黄色や褐色に近づくほど水分不足が疑われます。手軽な目安として有用です。

自発的脱水とは何ですか。

発汗後に水だけを飲むと体液が薄まり渇きが早く収まり、必要量より少ない補給で満足してしまう現象です。電解質補給で防げます。

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