全人的視点
生物心理社会モデルで痛みを多面的に捉える
慢性疼痛は、体の問題だけで説明しきれないことがしばしばあります。生物・心理・社会という3つの側面から眺めることで、その人の痛みをより立体的に理解できます。
生物心理社会モデルとは
痛みを、身体的要因だけでなく、心理的要因、社会的要因が相互に影響し合って生じるものとして捉える枠組みです。慢性疼痛の理解において広く用いられている考え方です。
生物学的側面
組織の状態、神経系の働き、全身の健康状態、睡眠や体力などが含まれます。運動による体力や柔軟性の向上は、この側面に働きかける手段の一つです。
心理的側面
痛みへの不安や恐れ、過去の経験、気分の状態、痛みをどう意味づけているかなどが含まれます。痛みを過度に脅威と感じると活動を避けやすくなり、それがさらに状態を悪化させることがあります。
- 痛みへの不安や破局的な考え方
- 活動を避ける行動パターン
- 気分の落ち込みやストレス
社会的側面
仕事や家庭の状況、周囲のサポート、経済的負担、痛みに対する周囲の反応などが含まれます。孤立や過度なストレスは痛みの体験に影響することがあります。
現場での活かし方
運動支援者がすべての側面に介入するわけではありませんが、痛みを体だけの問題と決めつけない姿勢が役立ちます。話をよく聞き、安心できる関わりを持ち、必要に応じて心理面や医療面の専門職と連携することが望まれます。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
心の問題だと言われているようで抵抗があります
このモデルは痛みを気のせいと考えるものではありません。体・心・環境のすべてが実際の痛みに影響することを示す考え方で、痛みを軽視するものではありません。
トレーナーが心理面に踏み込んでよいですか
安心できる声かけや傾聴は役立ちますが、専門的な心理介入は資格を持つ専門職の役割です。境界を意識し、必要に応じて連携することが大切です。
どの側面から取り組めばよいですか
一つに絞る必要はありません。安全に動ける運動から始めつつ、不安や生活状況にも目を向け、全体としてバランスよく支えることが現実的です。
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