発育発達学

思春期の発育スパートとPHV(身長の最大発育速度)

思春期には身長が急激に伸びる発育スパートが訪れます。この時期特有の身体変化を理解することは、安全な指導に欠かせません。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

発育スパートとは

発育スパートとは、思春期に身長や体重が短期間で急激に増加する時期を指します。スキャモンの発育曲線でいう一般型の二度目の急増に対応し、体格が大きく変化します。

この時期は身体が大人へ移行する大切な過程ですが、急な変化に動作の調整が追いつかず、一時的にぎこちなさが現れることがあります。指導者はこの背景を理解しておく必要があります。

PHVという指標

PHVは身長の最大発育速度を意味し、一年あたりの身長の伸びが最も大きくなる時点を指します。発育スパートの中心となるタイミングを表す指標として用いられます。

PHVの時期には個人差があり、一般に女子のほうが男子より早く訪れる傾向があります。暦年齢だけでなく、成熟の進み具合を踏まえて運動を考える視点が役立ちます。

急成長期に起こりやすいこと

骨が先に伸び、筋や腱の伸張が追いつかない時期には、相対的に柔軟性が低下したように見えることがあります。これにより一時的に動作のバランスが崩れやすくなります。

  • 手足が長くなり身体の感覚がずれやすい
  • 柔軟性が一時的に低下したように感じられる
  • 成長期特有のケガのリスクが高まりやすい

ケガへの配慮

急成長期は骨の成長に関わる部位に負担が集中しやすく、使いすぎによる障害が起こりやすい時期とされています。痛みのサインを軽視せず、休養を含めた管理が重要です。

練習量を急に増やさない、痛みがある場合は無理をさせない、フォームを丁寧に確認するといった基本的な配慮が、この時期のケガ予防に役立ちます。

指導上の工夫

動作のぎこちなさは一時的なことが多いため、本人を責めず、安心して取り組める雰囲気をつくることが大切です。基礎的な動作の確認に立ち返り、丁寧に質を整えていきます。

成熟の早い子と遅い子が同じ集団にいると体格差が大きくなるため、一律の評価ではなく個々の発達段階を踏まえた関わりが望まれます。

保護者と本人への説明

急成長に伴う変化は自然な過程であり、多くは時間とともに落ち着くことを丁寧に伝えると安心につながります。痛みが続く場合は医療機関の受診を促すことも忘れないようにします。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

発育スパートの時期は男女で違いますか

一般に女子のほうが男子より早く発育スパートを迎える傾向があります。ただし個人差が大きいため、暦年齢だけで一律に判断せず、実際の成長の様子を観察することが大切です。

急成長期に身体が硬くなるのはなぜですか

骨が先に伸び、筋や腱がそれに追いつくまで時間差が生じるため、相対的に柔軟性が低下したように感じられることがあります。多くは一時的で、成長が落ち着くと改善していくことが多いです。

急成長期は運動を控えたほうがよいですか

適度な運動はむしろ推奨されますが、練習量の急増や痛みを我慢させる指導は避けるべきです。負荷を段階的に調整し、痛みが続く場合は医療機関に相談する配慮が必要です。

cortis Trainer Academy

学びを、現場で使える知識に。

基礎から評価・運動療法・医療連携まで。身体を診る専門職のための継続学習アカデミー。基礎は登録不要・無料。

無料の学習コースを見る →

関連記事・関連する学問