肩リハビリ

肩関節の運動器リハビリの基本

肩は可動域が大きく安定性を筋で補う関節です。可動域・肩甲帯・腱板のバランスを意識した回復が、再発予防につながります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

肩関節の特徴を理解する

肩関節(肩甲上腕関節)は人体で最も可動範囲が広い関節で、その分骨同士のはまり込みが浅く、安定性を腱板や周囲の筋に大きく依存します。

肩の動きは肩甲上腕関節だけでなく、肩甲骨と胸郭の動き(肩甲胸郭機能)とも連動します。腕を上げる動作は両者の協調で成り立っています。

可動域の回復

肩関節周囲炎などで可動域が制限された場合、痛みの範囲で振り子運動や自動介助運動などを用いて段階的に動きを取り戻します。痛みを我慢して無理に動かすことは避けます。

術後では許可された可動域制限を守ることが前提で、特に腱板修復後などは外旋や挙上の制限に注意します。

肩甲帯の安定性

腕をうまく使うには、土台となる肩甲骨の安定が欠かせません。前鋸筋や僧帽筋下部などの働きを高め、肩甲骨が適切に動く環境を整えることが、肩の機能回復の基盤になります。

  • 肩甲骨を寄せる・下げる動きを意識する
  • なで肩やすくみ姿勢などの代償に注意する
  • 肩甲帯の安定を確認してから挙上動作を進める

腱板機能の再教育

腱板は上腕骨頭を関節窩に引き寄せ、安定させる役割を担います。軽い負荷での外旋・内旋運動などを通じて、腱板の働きを段階的に高めます。

強い負荷や挙上位での無理な運動は腱板に負担をかけるため、痛みのない範囲・低負荷から始め、フォームを重視します。

日常生活と注意点

結髪・結帯動作や、棚の物を取る動作など、生活で必要な肩の使い方を段階的に練習します。痛みを誘発する肢位を把握し、無理のない範囲で活動を広げます。

夜間痛が強い、力が入らない、しびれを伴うといった場合は、腱板の大きな損傷や神経の問題が隠れていることもあり、医療機関での評価が必要です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

肩が痛くても動かした方がよいですか。

完全に動かさないと固まりやすくなりますが、痛みを我慢して強く動かすのも逆効果です。痛みの少ない範囲で段階的に動かすのが基本で、術後は許可された範囲を守ります。

肩甲骨の運動はなぜ大切なのですか。

腕を上げる動作は肩関節と肩甲骨の協調で成り立つためです。土台となる肩甲骨が安定すると肩関節への負担が減り、可動域や機能の回復が進みやすくなります。

腱板のトレーニングはどの程度の負荷で行いますか。

強い負荷より、低負荷で正しいフォームを保てる範囲が基本です。痛みのない範囲で外旋・内旋などを行い、段階的に負荷を調整します。状態に応じて医療職と相談してください。

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