整形外科学基礎
肩関節周囲炎(五十肩)の基礎と運動指導での配慮
肩関節周囲炎は中高年に多く、痛みと可動域制限を特徴とします。病期に応じた配慮が重要で、その基礎を整理します。
肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎は、いわゆる五十肩として知られ、明らかな原因なく肩の痛みと可動域制限が生じる状態の総称です。中高年に多くみられます。
肩関節を構成する関節包や周囲組織の炎症や拘縮が関与すると考えられています。
病期の理解
一般に、痛みが強い炎症期、動かしにくさが目立つ拘縮期、徐々に改善する回復期の段階を経るとされます。病期によって優先すべき対応が変わります。
- 炎症期: 安静時痛や夜間痛が強い
- 拘縮期: 痛みは落ち着くが可動域制限が残る
- 回復期: 可動域が徐々に戻る
主な症状
肩を上げる、後ろに回すなどの動作で痛みが出ます。夜間痛で睡眠が妨げられることも特徴で、髪を結ぶ・服の着脱などの日常動作に支障が出ます。
運動指導での時期別配慮
炎症期は無理に動かさず、痛みの少ない範囲での軽い運動にとどめます。拘縮期以降は可動域の改善を目的とした運動が一般的に行われます。
- 炎症期は強いストレッチや高負荷を避ける
- 痛みの強い夜間痛がある時期は医療機関での確認を促す
- 拘縮期以降は痛みの出ない範囲で段階的に可動域を広げる
似た症状との区別
腱板断裂や石灰沈着など、別の肩疾患でも似た症状が出ることがあります。運動指導者は自己判断で断定せず、診断は医療機関に委ねます。
経過と医療連携
多くは時間の経過とともに改善するとされますが、回復には数か月から年単位かかることもあります。医師の診断と方針を踏まえ、運動指導者は役割の範囲で支援します。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
五十肩は放っておいても治りますか。
自然に軽快することも多いとされますが、回復に時間がかかったり可動域制限が残ることもあります。症状が強い場合は医療機関の受診が勧められます。
痛い時期に無理に動かしてもよいですか。
炎症期に痛みを我慢して強く動かすのは避けます。病期に応じて運動の内容を変えることが重要です。
他の肩の病気と見分けられますか。
腱板断裂など似た症状の疾患があり、区別は医療機関での診察が必要です。運動指導者は断定せず受診を勧めます。
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