モビリティ
ジョイント・バイ・ジョイント理論
身体の関節を可動性と安定性の役割で整理する考え方は、モビリティを動作全体の中でとらえる助けになります。
理論の概要
ジョイント・バイ・ジョイント(joint by joint)は、身体の主要な関節が可動性を主に担う関節と安定性を主に担う関節に交互に並んでいるととらえる考え方です。トレーニング指導の分野で広く紹介されてきました。
この見方は厳密な解剖学の法則というより、動作を整理するための実務的なフレームワークとして用いられます。
可動性と安定性の交互配列
足部から上に向かって、関節は可動性主体と安定性主体が交互に現れると整理されます。
- 足関節は可動性が求められやすい
- 膝関節は安定性が求められやすい
- 股関節は可動性が求められやすい
- 腰椎は安定性が求められやすい
- 胸椎は可動性が求められやすい
- 肩甲帯は安定性が、肩関節は可動性が求められやすい
隣接関節の代償
ある関節の可動性が不足すると、隣接する関節がその不足を補おうとして本来の役割以上に動くことがあります。これを代償と呼びます。
例えば股関節や胸椎の可動性が不足すると、その間にある腰椎が過度に動いて負担を受けやすくなる、といった見立てに用いられます。
動作改善への応用
動作の不調をその場所だけで考えず、上下の関節の役割を含めて見渡す視点を与えてくれる点が、この理論の実用的な価値です。
腰の不快感が腰自体ではなく、隣接する関節の可動性不足から生じている可能性を考えるきっかけになります。
理論を使う際の注意
この配列はあくまで一般的な傾向であり、すべての人や状況に機械的に当てはめるものではありません。個々の身体や目的に応じた評価が前提になります。
痛みを伴う場合や原因が不明な場合は、フレームワークに頼りすぎず、医療職を含めた評価につなげる判断が必要です。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
ジョイント・バイ・ジョイントは科学的法則ですか
厳密な法則ではなく、動作を整理するための実務的な考え方です。一般的傾向として有用ですが、個別の評価に置き換えるものではありません。
腰痛のときはどこを見ればよいですか
この理論では腰椎は安定性主体ととらえ、隣接する股関節や胸椎の可動性不足が背景にないかを併せて確認する視点が役立ちます。
代償とは何ですか
ある関節の機能不足を、隣の関節が補おうとして余分に動く現象です。負担が一カ所に集中する原因になることがあります。
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