睡眠とリカバリー

睡眠段階と睡眠周期の構造を理解する

睡眠は均一な状態ではなく、複数の段階が周期的に入れ替わる動的なプロセスです。その構造を理解することが回復支援の出発点になります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

ノンレム睡眠とレム睡眠

睡眠は大きくノンレム睡眠とレム睡眠に分けられます。ノンレム睡眠はさらに浅い段階から深い段階へと分類され、最も深い段階は徐波睡眠や深睡眠と呼ばれます。脳波の活動が緩やかで大きな波になることが特徴です。

レム睡眠は急速眼球運動を伴う段階で、脳の活動は覚醒時に近い一方、骨格筋の活動は抑制されます。鮮明な夢を見やすいのもこの段階とされています。

  • ノンレム睡眠は身体の回復や成長に関わるとされる
  • レム睡眠は記憶の整理や情動の処理に関わると考えられている
  • 両者は性質が異なり、どちらも睡眠の質に重要

約90分の睡眠周期

一晩の睡眠では、ノンレム睡眠とレム睡眠がおおよそ90分前後を一つの周期として繰り返されます。個人差や年齢による幅があるため、厳密に一定ではありません。

一般的に睡眠の前半では深いノンレム睡眠が多く、後半に向かうほどレム睡眠の割合が増える傾向があります。

深い睡眠と回復の関係

深いノンレム睡眠の時間帯には、成長ホルモンの分泌が高まりやすいことが知られています。組織の修復や疲労回復との関連から、運動を行う人にとって重要視されます。

ただし深い睡眠だけを増やせば良いという単純な話ではなく、各段階がバランスよく現れることが質の高い睡眠とされています。

年齢による睡眠構造の変化

加齢に伴い、深いノンレム睡眠の割合が減少し、夜間に目が覚める回数が増える傾向があります。高齢のクライアントでは、若年層と同じ睡眠像を前提にしないことが大切です。

子どもや若年者では深い睡眠が多く、成長や発達に重要な役割を果たすと考えられています。

途中覚醒と睡眠の連続性

短時間の覚醒は健康な人にも生じますが、頻繁な途中覚醒や長時間の覚醒は睡眠の連続性を損ない、回復感の低下につながりやすいとされます。

周期を意識して途中で起きると目覚めが楽になるという考え方もありますが、個人差が大きく、過度に数値にこだわらない姿勢が現場では現実的です。

現場で伝えるときの視点

睡眠段階の知識は、クライアントに睡眠を質と量の両面で捉えてもらうために役立ちます。専門職は医療的な診断を行う立場ではないため、構造の理解は生活習慣の助言にとどめる配慮が必要です。

睡眠時無呼吸など医学的な問題が疑われる場合は、医療機関の受診を勧めることが適切です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

睡眠周期は必ず90分ですか

おおよその目安であり、個人差や年齢、その日の状態によって幅があります。厳密に一定ではないため、目安として捉えるのが適切です。

深い睡眠だけを増やせば回復は高まりますか

深い睡眠は重要ですが、各段階がバランスよく現れることが質の高い睡眠とされます。特定の段階だけを意図的に増やすことは現実的ではありません。

途中で目が覚めるのは異常ですか

短時間の覚醒は健康な人にも生じます。ただし頻繁な覚醒や日中の強い眠気を伴う場合は、医療機関への相談を検討してください。

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