整形外科学基礎

腱板損傷・断裂の基礎と運動指導での配慮

腱板損傷は肩の痛みと機能低下の代表的原因です。病態と症状の特徴を理解し、安全な運動支援につなげます。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

腱板とは

腱板は肩関節を安定させ動きを支える複数の筋とその腱の集まりで、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋からなります。なかでも棘上筋は損傷しやすいとされます。

腱板の損傷や断裂は、加齢に伴う変性や転倒、繰り返しの負荷などで起こります。

主な症状

腕を上げる動作での痛みや力の入りにくさ、夜間痛が特徴的です。完全断裂では腕を上げる力が大きく低下することがあります。

  • 肩を上げるときの痛みや引っかかり感
  • 夜間痛による睡眠の妨げ
  • 断裂例での挙上時の筋力低下

五十肩との違い

肩関節周囲炎は可動域全体が制限されやすいのに対し、腱板損傷では自分で上げにくくても他人が動かせば動く場合があるなど、所見に違いがみられます。区別は医療機関での診察が必要です。

診断の基礎

問診や徒手的な検査に加え、超音波やMRIで腱の状態を確認します。運動指導者は診断を行わず、医療機関の評価を尊重します。

運動指導での配慮と禁忌

痛みを誘発する挙上動作や、重い負荷でのオーバーヘッド種目は状態によって避けます。肩甲骨周囲の安定性を意識した運動が一般的に重視されます。

  • 痛みを伴うオーバーヘッド動作の制限
  • 急な高負荷を避けた段階的な負荷設定
  • 肩甲骨の安定性を意識した運動の活用

経過と医療連携

断裂の程度や活動性により、保存療法と手術が選択されます。運動指導者は医師や理学療法士の方針に沿い、許可された範囲で運動を支援します。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

腱板を痛めたら肩を動かしてはいけませんか。

完全に動かさないのではなく、痛みを誘発しない範囲での運動が選ばれることが多いです。内容は状態と医師の指示によります。

五十肩と腱板損傷はどう違いますか。

可動域の制限のしかたや筋力低下の有無などに違いがあります。正確な区別は医療機関での診察が必要です。

手術は必要ですか。

断裂の程度や生活への影響により判断されます。保存療法で対応する場合もあり、医師が総合的に決定します。

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