救急対応の基礎

出血・創傷への応急手当

運動現場ではすり傷や切り傷、出血を伴うけがが起こります。止血と感染予防の基本を押さえ、落ち着いて対応できるようにしましょう。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

出血への対応の基本

出血を見たら、まず自分の手を清潔に保ち、可能なら使い捨て手袋を着用して血液に直接触れないようにします。感染予防は救助者自身を守るうえでも重要です。

止血の基本は、出血している部位を清潔なガーゼや布でしっかり押さえる直接圧迫法です。多くの出血はこの方法で止まるとされています。

直接圧迫法の手順

清潔なガーゼやタオルを傷口にあて、手のひらで直接、しっかりと圧迫します。圧迫は止血が確認できるまで続けることが大切で、途中で何度もはがして確認すると止血が遅れます。

可能であれば、出血している部位を心臓より高く上げると、出血の勢いを抑える助けになります。血がにじんでくる場合は、最初のガーゼを取らずに上から重ねて圧迫を続けます。

  • 清潔なガーゼや布で傷口を直接強く圧迫する
  • 止血を確認するまで圧迫を続ける
  • 可能なら患部を心臓より高く保つ
  • 血がにじんだら上からガーゼを重ねる

すり傷・切り傷の手当

出血が落ち着いたら、土や砂などの汚れを流水で洗い流します。傷口を清潔にすることが、その後の感染予防につながります。消毒のしすぎはかえって治りを妨げるとの考えもあり、まずは十分な洗浄が基本です。

洗浄後は、清潔な被覆材やばんそうこうで傷を保護します。傷を乾かさず適度な湿潤を保つ方が治りやすいとされる考え方もありますが、深い傷や汚染がひどい傷は自己処置にとどめず受診を検討します。

医療機関へつなぐ判断

圧迫しても出血が止まらない、傷が深い、傷口が大きく開いている、異物が深く刺さっている、動物や人にかまれた傷などは、医療機関での処置が必要です。出血が大量で意識が遠のく場合は救急要請します。

深く刺さった異物は、その場で無理に抜くと出血を悪化させることがあるため、固定して医療機関へ運ぶのが安全とされています。

  • 圧迫しても止まらない出血は医療機関へ
  • 深い傷・大きく開いた傷は受診する
  • 深く刺さった異物は抜かず固定して搬送する
  • かまれた傷や汚染のひどい傷は受診を検討する

感染予防と記録

他者の血液に触れることは感染のリスクを伴うため、手袋の着用や処置後の手洗いを徹底します。血液が付着した物品の扱いにも注意し、施設の衛生ルールに従って処理します。

けがの発生状況や処置内容を記録しておくと、その後の経過確認や医療機関への引き継ぎに役立ちます。とくに頭部や顔のけが、出血量が多い場合は丁寧に記録します。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

止血帯をきつく巻いて止めてもよいですか。

手足を強く縛る止血帯は組織を傷つける危険があるため、まずは直接圧迫法を基本とします。圧迫で止血できない大出血など限られた状況に限られ、安易な使用は避けます。

傷は消毒した方がよいですか。

まずは流水での十分な洗浄が基本とされています。消毒のしすぎは治りを妨げるとの考えもあり、汚れを洗い流して清潔な被覆材で保護することを優先します。深い傷や汚染がひどい傷は受診してください。

刺さった異物はすぐ抜くべきですか。

深く刺さった異物を現場で抜くと、出血が悪化したり傷を広げたりすることがあります。動かないよう固定し、医療機関で処置を受けるのが安全です。

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