発育発達学

乳幼児期の運動発達マイルストーンと発達の原則

乳幼児の運動発達には一定の順序があり、その流れを理解することは子どもの運動支援の土台になります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

運動発達マイルストーンの考え方

運動発達マイルストーンとは、首がすわる、寝返り、座位保持、はいはい、つかまり立ち、歩行といった、多くの子どもが共通してたどる運動の節目を指します。発達の進み具合を確認する目安として用いられます。

ただし各節目に到達する時期には幅があり、暦年齢に対して数か月の個人差があるのは一般的です。マイルストーンは合格ラインではなく、おおまかな流れを把握するための指標として扱います。

発達の方向性に関する原則

運動発達には方向性の原則があるとされます。頭部に近い部分から末梢へ、また体幹の中心から手足の末端へという順で機能が発達していく傾向です。首すわりが歩行より先に整うのはこの一例です。

  • 頭部側から脚側へという上から下への方向性
  • 体幹中心から末梢へという中心から外への方向性
  • 全身的で大まかな動きから細かい動きへの分化

粗大運動の主な節目

粗大運動は体幹や大きな筋群を使う動きを指します。一般的な流れとして、首すわりの後に寝返りや座位が安定し、移動手段としてはいはいが現れ、つかまり立ちを経て独歩へと進みます。

それぞれの動きは前の段階で得た姿勢の安定を土台に積み上がります。前段階が十分でないまま次に進もうとすると不安定になりやすいため、順序を尊重する視点が大切です。

微細運動と粗大運動の関係

微細運動は手指など小さな筋を使う動きで、物をつかむ、つまむといった操作に関わります。粗大運動で姿勢が安定するほど、上肢を自由に使える余裕が生まれ、微細運動も発達しやすくなります。

座位が安定すると両手を使った遊びが増えるように、姿勢の安定と手の操作は相互に関連しています。運動発達を全体としてとらえる視点が役立ちます。

発達を見るときの注意点

マイルストーンはあくまで平均的な傾向です。早産や個人差により時期がずれることは珍しくなく、一つの遅れだけで判断するのは適切ではありません。複数の側面を継続的に見る姿勢が重要です。

明らかに節目から大きく外れる、いったん獲得した動きが失われるといった場合は、自己判断せず小児科など医療の専門家への相談を促すことが安全です。

現場での活かし方

運動発達の順序を理解しておくと、子どもの今の段階に合った遊びや課題を選びやすくなります。次の段階を無理に急がせるのではなく、現在の動きを十分に経験させることが発達を支えます。

  • 現在獲得している動きを十分に引き出す
  • 順序を飛ばさず段階に合った課題を選ぶ
  • 気になる遅れは医療職への相談につなぐ

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

歩き始めが遅いと運動が苦手になりますか

歩き始めの時期には個人差があり、遅めでも問題なく発達する子は多くいます。時期そのものより、その後にさまざまな動きを十分経験できるかが大切です。気になる場合は医療職への相談が安心です。

はいはいを飛ばして歩いても大丈夫ですか

はいはいの期間が短い、あるいはほとんど見られない子もいます。一概に問題とは言えませんが、姿勢の安定や上肢の支持を経験する機会は重要なので、遊びの中で多様な動きを促すとよいでしょう。

マイルストーンより早く進むほうがよいのですか

早く進むことが必ずしも有利とは限りません。各段階で得られる経験には意味があり、無理に先を急がせるよりも、今の動きを安全に十分経験させることが望ましいと考えられます。

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