上肢の筋




機能解剖学

上肢の筋 ― 肩・腕・背中の筋肉

三角筋・大胸筋・広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋・ローテーターカフの起始・停止・作用を詳しく解説します。

肩関節周囲の筋

筋名 起始 停止 作用 支配神経
三角筋(前部) 鎖骨外側1/3 上腕骨三角筋粗面 肩関節屈曲・内旋 腋窩神経(C5-6)
三角筋(中部) 肩峰 三角筋粗面 肩関節外転 腋窩神経(C5-6)
三角筋(後部) 肩甲棘 三角筋粗面 肩関節伸展・外旋 腋窩神経(C5-6)
大胸筋(鎖骨部) 鎖骨内側1/2 上腕骨大結節稜 肩関節屈曲・内転・内旋 内外側胸筋神経(C5-T1)
大胸筋(胸肋部) 胸骨・第1-6肋軟骨 大結節稜 内転・内旋 内外側胸筋神経
広背筋 T7-L5棘突起・仙骨・腸骨稜・下位3-4肋骨 上腕骨小結節稜 肩関節伸展・内転・内旋 胸背神経(C6-8)
僧帽筋(上部) 外後頭隆起・項靭帯 鎖骨外側1/3 肩甲骨挙上・上方回旋 副神経(CN XI)
僧帽筋(中部) T1-5棘突起 肩峰・肩甲棘 肩甲骨内転 副神経
僧帽筋(下部) T6-12棘突起 肩甲棘内側端 肩甲骨下制・上方回旋 副神経

ローテーターカフ(回旋筋腱板)

肩関節の動的安定性を担う4筋の総称。覚え方:「きょくじょう・きょくか・しょうえん・けんこうか」

筋名 起始 停止 作用
棘上筋 肩甲骨棘上窩 上腕骨大結節上面 肩関節外転(初動0-15°)
棘下筋 棘下窩 大結節中面 肩関節外旋
小円筋 肩甲骨外側縁 大結節下面 肩関節外旋
肩甲下筋 肩甲下窩 上腕骨小結節 肩関節内旋

上腕の筋

筋名 起始 停止 作用 支配神経
上腕二頭筋(長頭) 肩甲骨関節上結節 橈骨粗面 肘関節屈曲・前腕回外 筋皮神経(C5-6)
上腕二頭筋(短頭) 烏口突起 橈骨粗面 肘関節屈曲・前腕回外 筋皮神経(C5-6)
上腕三頭筋(長頭) 肩甲骨関節下結節 肘頭 肘関節伸展・肩関節伸展 橈骨神経(C6-8)
上腕三頭筋(外側頭) 上腕骨後面(橈骨神経溝上方) 肘頭 肘関節伸展 橈骨神経
上腕三頭筋(内側頭) 上腕骨後面(橈骨神経溝下方) 肘頭 肘関節伸展 橈骨神経
上腕筋 上腕骨前面下半 尺骨粗面 肘関節屈曲 筋皮神経(C5-6)

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📚 参考文献・推奨エビデンス

  1. Netter FH. (2019). Atlas of Human Anatomy, 7th Edition. Elsevier.
  2. Moore KL et al.. (2018). Clinically Oriented Anatomy, 8th Edition. Lippincott Williams & Wilkins.
  3. NSCA. (2021). NSCA’s Essentials of Personal Training, 3rd Edition. Human Kinetics.

📋 この章の学習確認チェックリスト

以下の全項目を達成できたら、この章の習得完了です。

  • □ 主要な筋の起始・停止・作用を3つ以上説明できる
  • □ 拮抗筋と協働筋の関係を図で示せる
  • □ この部位に関わる神経支配を述べられる
  • □ 機能的動作とこの筋群の関係を説明できる
  • □ よくある代償動作とその原因を特定できる
  • □ トレーニングでターゲットにできる種目を3つ以上挙げられる

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上肢の筋の現場での実践ポイント

NSCA認定トレーナーとして活躍するためには、理論知識だけでなく現場での実践応用力が求められます。
この章で学んだ機能解剖学の概念を、実際のクライアント指導にどう活かすかを整理します。

クライアント別の応用アプローチ

初心者・中級者・上級者それぞれに対して、この章の内容をどのように適用するかが重要です。
クライアントの目標・体力レベル・経験に合わせた個別設計を心がけましょう。

NSCA試験対策:頻出テーマと重要キーワード

NSCA-CPT・CSCS試験では、機能解剖学分野から毎回一定数の問題が出題されます。
以下の重要概念を確実に理解しておくことで、得点力が大幅に向上します。

試験で問われやすいポイント

  • 定義・メカニズムの正確な理解(選択肢の引っかけ対策)
  • 数値・基準値の暗記(ACSM・NSCA推奨値)
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現場でよく見られる誤解を整理することで、クライアントへの正確な指導が実現します。
エビデンスに基づいた正しい知識で、誤った情報の修正も行えるようになりましょう。

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インターネットや口コミで広まっている誤情報と、NSCAが推奨する科学的見解の違いを
明確に理解することが、プロのトレーナーとしての信頼性向上につながります。

プログラム設計への統合

機能解剖学の知識はプログラムデザインの根幹を成します。
適切な運動処方を行うためには、この章の内容を他の学問分野(運動生理学・バイオメカニクス等)
と統合して考える視点が欠かせません。

他分野との連携ポイント

栄養・心理・解剖学的知識と組み合わせることで、より効果的で安全なプログラムが設計できます。

📚 参考文献・推奨エビデンス

  1. Netter FH. (2019). Atlas of Human Anatomy, 7th Edition. Elsevier.
  2. Moore KL et al.. (2018). Clinically Oriented Anatomy, 8th Edition. Lippincott Williams & Wilkins.
  3. NSCA. (2021). NSCA’s Essentials of Personal Training, 3rd Edition. Human Kinetics.