プレ/中/後の補給SOPを組める
📋 前提 運動生理学
- 1. 体重と水分のバランス
- 2. 1日の必要量の推定
- 3. プレロード・運動中・リカバリー
- 4. 飲料種別の使い分け
- 5. カフェインとアルコールの影響
- 6. 易しい比喩
- 7. 現場テンプレ:60分中強度セッション
- 8. 章末問題
- 参考文献
水分はパフォーマンスに最も即時的に効く栄養。Sawka MN(ACSM Position Stand 2007)と McDermott(NATA Position 2017)を骨子に、現場の補給SOPまで落とし込む。
1. 体重と水分のバランス
体重1%減で持久パフォーマンス約2-3%低下、3%減で認知機能・反応時間にも影響[1]。トレーナーは「体重を測る習慣」を顧客に持たせる。
2. 1日の必要量の推定
| 区分 | 目安 |
|---|---|
| 非運動成人 | 体重×30-35ml/日 |
| 軽運動者 | 体重×40ml/日 |
| 中強度1時間 | +500-1000ml |
| 高強度・高温 | +1500-2500ml |
3. プレロード・運動中・リカバリー
- 2時間前:5-7ml/kg を電解質飲料で。
- 運動中:15-20分ごとに150-250ml。糖質4-8%を含む。
- リカバリー:体重減少 1L につき 1.25-1.5L を補給。
4. 飲料種別の使い分け
| 飲料 | 糖質 | Na | 用途 |
|---|---|---|---|
| 水 | 0 | 0 | 60分未満・低強度 |
| スポーツドリンク | 4-8% | 20-30mEq/L | 中-長時間 |
| 経口補水液 | 2-3% | 50mEq/L以上 | 脱水回復・熱中症I-II度 |
| 低糖質エレクトロライト | 0-2% | 30mEq/L | 減量期・低糖質下 |
5. カフェインとアルコールの影響
カフェイン3-6mg/kgは持久パフォーマンスを2-4%向上、利尿作用は習慣摂取者では限定的[2]。アルコールは脱水と回復遅延(蛋白合成-30%)を起こすため、競技/トレ後24時間は推奨しない。
6. 易しい比喩
体は「片輪が水のクルマ」。タイヤが2%減ると曲がれない、3%減るとブレーキも効かない。先に空気を入れる(プレロード)→走行中も継ぎ足す→止めたあとも補給。
7. 現場テンプレ:60分中強度セッション
- 2h前:体重70kg×6ml = 420ml 経口補水液
- セッション中:15分ごと200ml × 4回 = 800ml
- 後:体重差1.0kg なら 1.25L を電解質飲料で
8. 章末問題
- 体重1%減でのパフォーマンス低下幅を答えよ。
- 運動2時間前の推奨摂取量を答えよ。
- 経口補水液のNa濃度の目安を答えよ。
- カフェイン推奨用量を答えよ。
- 体重減少 1L のリカバリー補給量を答えよ。
参考文献
- Sawka MN et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-390.
- Maughan RJ et al. IOC consensus. Br J Sports Med. 2018;52:439-455.
- McDermott BP et al. J Athl Train. 2017;52(9):877-895.
プレロード→運動中→リカバリー3フェーズを覚える歌
テーマソング / cortis music
コンビニ飯で痩せる×老けない組み合わせを科学的に解説する歌
📚 参考文献・推奨エビデンス
- Thomas DT et al.. (2016). American College of Sports Medicine Joint Position Statement: Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. DOI
- Phillips SM & Van Loon LJC. (2011). Dietary protein for athletes: From requirements to optimum adaptation. J Sports Sci. DOI
- Stanhope KL. (2016). Sugar consumption, metabolic disease and obesity. Crit Rev Clin Lab Sci. DOI
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水分補給とハイドレーション戦略の現場での実践ポイント
NSCA認定トレーナーとして活躍するためには、理論知識だけでなく現場での実践応用力が求められます。
この章で学んだ栄養学の概念を、実際のクライアント指導にどう活かすかを整理します。
クライアント別の応用アプローチ
初心者・中級者・上級者それぞれに対して、この章の内容をどのように適用するかが重要です。
クライアントの目標・体力レベル・経験に合わせた個別設計を心がけましょう。
NSCA試験対策:頻出テーマと重要キーワード
NSCA-CPT・CSCS試験では、栄養学分野から毎回一定数の問題が出題されます。
以下の重要概念を確実に理解しておくことで、得点力が大幅に向上します。
試験で問われやすいポイント
- 定義・メカニズムの正確な理解(選択肢の引っかけ対策)
- 数値・基準値の暗記(ACSM・NSCA推奨値)
- 実践応用への変換(ケーススタディ形式)
よくある誤解と正しい理解
現場でよく見られる誤解を整理することで、クライアントへの正確な指導が実現します。
エビデンスに基づいた正しい知識で、誤った情報の修正も行えるようになりましょう。
誤解されやすい典型例
インターネットや口コミで広まっている誤情報と、NSCAが推奨する科学的見解の違いを
明確に理解することが、プロのトレーナーとしての信頼性向上につながります。
プログラム設計への統合
栄養学の知識はプログラムデザインの根幹を成します。
適切な運動処方を行うためには、この章の内容を他の学問分野(運動生理学・バイオメカニクス等)
と統合して考える視点が欠かせません。
他分野との連携ポイント
栄養・心理・解剖学的知識と組み合わせることで、より効果的で安全なプログラムが設計できます。
まとめ:現場で活かすためのチェックポイント
NSCA認定トレーナーとして、科学的根拠に基づいた質の高い指導を提供し続けることが重要です。
この章の知識を現場で体系的に活用するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
知識を実践に変換するステップ
理論から実践への変換には、段階的なアプローチが効果的です。アセスメント → 目標設定 →
プログラム設計 → 実施 → 評価 → 修正のサイクルを継続することで、クライアントの成果が最大化されます。
専門家として継続成長するために
NSCAが提供する継続教育(CEU)プログラムや最新研究の情報収集を通じて、
自身の知識を常に最新の状態に保つことがプロフェッショナルとして不可欠です。