炎症を調節する食事成分を理解しアンチインフラマトリー食を設計できる
📋 前提 免疫概論・脂質代謝
- 1. 急性炎症と慢性炎症
- 2. 炎症を促進する食品
- 3. 抗炎症食品と機序
- 4. オメガ3:オメガ6比
- 5. 腸内細菌・腸管バリアと炎症
- 6. 易しい比喩
- 7. 章末問題
1. 急性炎症と慢性炎症
急性炎症: 組織損傷への防御応答。発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害の5徴候。好中球・マクロファージが侵入。2-7日で完結→修復。
慢性低悪性度炎症: 肥満・過食・腸内細菌叢の乱れ・睡眠不足・座位行動の蓄積でTNF-α・IL-6・CRPが持続上昇。心血管疾患・糖尿病・がんリスクの共通基盤[1]。
2. 炎症を促進する食品
| 食品群 | 機序 |
|---|---|
| 精製炭水化物・砂糖 | 血糖スパイク→AGEs産生→NF-kB活性化 |
| トランス脂肪酸 | LDL↑・HDL↓・TNF-a↑ |
| オメガ6過剰(精製植物油) | AA産生→プロスタグランジンE2(炎症性)↑ |
| 加工肉 | 亜硝酸塩・飽和脂肪・Neu5Gc→腸管炎症 |
3. 抗炎症食品と機序
| 食品 | 成分 | 作用 |
|---|---|---|
| 青魚(サバ・サーモン) | EPA・DHA(オメガ3) | レゾルビン・プロテクチン産生→炎症収束[2] |
| ウコン | クルクミン | NF-kB抑制 |
| 緑黄色野菜・ベリー | ポリフェノール・フラボノイド | 抗酸化・COX-2阻害 |
| オリーブオイル(Extra Virgin) | オレオカンタール | イブプロフェン様のCOX阻害 |
4. オメガ3:オメガ6比
現代食のオメガ6:オメガ3比 = 15-20:1(理想は4:1以下)[3]。オメガ6(リノール酸)→アラキドン酸(AA)→炎症性エイコサノイド。オメガ3(EPA・DHA)→抗炎症・炎症収束メディエーター。EPA・DHA摂取推奨: 1-2g/日(青魚週2-3回または魚油サプリ)。
5. 腸内細菌・腸管バリアと炎症
腸管バリア破綻(Leaky Gut)→LPS(リポ多糖類)が血中に漏出→全身性炎症(エンドトキシン血症)。食物繊維→短鎖脂肪酸(酪酸)→腸管上皮のタイトジャンクション強化→バリア機能維持[4]。プロバイオティクス(乳酸菌等)+プレバイオティクス(食物繊維)=シンバイオティクスで腸内環境改善。
6. 易しい比喩
炎症は「火事」。急性炎症は「小さな焚き火(ゴミを燃やす)」で必要。慢性炎症は「建物の中でくすぶる火(見えにくい・消えない)」で危険。抗炎症食は消火器(EPA・DHA・ポリフェノール)、炎症食は燃料(精製炭水化物・トランス脂肪)。
7. 章末問題
- 慢性低悪性度炎症の代表的なバイオマーカー3つ
- EPA・DHAが炎症を収束させる生体分子の名称
- オメガ3:オメガ6の理想比と現代食の実態
- Leaky Gutが全身炎症を引き起こす機序
- NF-kBを抑制する食品成分の代表例
慢性炎症は心血管疾患・糖尿病の共通基盤。EPA/DHA・ポリフェノール・食物繊維で抗炎症食を設計し、精製糖・トランス脂肪を除く。
炎症促進4食品+抗炎症4食品+オメガ3:6比+Leaky Gut機序を覚える歌
📚 参考文献
- Calder PC. Br J Clin Pharmacol. 2013;75(3):645-662
- Serhan CN. Nature. 2014;510(7503):92-101
- Simopoulos AP. Biomed Pharmacother. 2002;56(8):365-379
- Tilg H, Moschen AR. Nat Rev Immunol. 2014;14(8):495-509
📚 参考文献・推奨エビデンス
- Thomas DT et al.. (2016). American College of Sports Medicine Joint Position Statement: Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. DOI
- Phillips SM & Van Loon LJC. (2011). Dietary protein for athletes: From requirements to optimum adaptation. J Sports Sci. DOI
- Stanhope KL. (2016). Sugar consumption, metabolic disease and obesity. Crit Rev Clin Lab Sci. DOI
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