行動科学

計画的行動理論で行動の意図を読み解く

行動の手前にある意図は何で決まるのか。態度や周囲の期待、できる感覚から意図を説明する理論を学びます。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

合理的行為理論から計画的行動理論へ

合理的行為理論は、人の行動はまず行動意図によって決まり、その意図は行動への態度と主観的規範から生じると考える理論です。意図を介して行動を説明する点が特徴です。

後に、自分で行動をコントロールできる感覚を加えて拡張されたのが計画的行動理論です。意図だけでは説明しにくい行動も扱えるようになりました。

意図を決める3つの要素

計画的行動理論では、行動意図は主に次の3つの要素から生まれるとされます。

  • 行動への態度: その行動をよい・悪いと評価する程度
  • 主観的規範: 重要な他者がその行動を期待していると感じる程度
  • 知覚された行動コントロール: 自分にその行動が可能だと感じる程度

態度と主観的規範

態度は、行動の結果をどう評価するかで形づくられます。運動を前向きにとらえているほど意図が高まりやすくなります。

主観的規範は、家族や友人など大切な人がその行動を望んでいると感じる程度です。周囲の期待や支持は意図を後押しします。

知覚された行動コントロール

知覚された行動コントロールは、自分にとってその行動がどれだけ容易かという感覚です。自己効力感と近い概念で、意図だけでなく行動に直接影響することもあるとされます。

障壁が大きいと感じると、意図があっても行動に移りにくくなります。実行を容易にする支援が重要です。

意図と行動のギャップ

意図が高くても実際の行動に結びつかない、意図と行動のギャップはよく見られます。理論はこのギャップを完全には埋められません。

ギャップを縮めるには、いつどこで行動するかを具体的に決める計画づくりや、行動を妨げる要因の事前対処が役立ちます。

運動指導への応用

指導では、運動への前向きな評価を育て、家族や仲間の支持を引き出し、できそうという感覚を高める働きかけを組み合わせます。意図を高めるだけでなく、行動に移すための具体的な仕掛けまで設計することが継続につながります。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

意図が高ければ必ず行動しますか

そうとは限りません。意図と行動のギャップはよくあり、具体的な実行計画や障壁への対処で差を縮める工夫が必要です。

主観的規範とは何ですか

家族や友人など大切な人がその行動を期待していると感じる程度です。周囲の支持が意図を後押しします。

知覚された行動コントロールと自己効力感は同じですか

近い概念で重なりが大きいですが、由来する理論が異なります。どちらもできそうという感覚に関わる点で共通します。

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