コーチング基礎
GROWモデルで対話を構造化する
GROWモデルは、目標から行動計画までを順序立てて引き出す対話の型です。話があちこちに飛ばず、クライアント自身が次の一歩を決めやすくなります。
GROWモデルの全体像
GROWは、Goal(目標)、Reality(現状)、Options(選択肢)、Will(意志・行動)の頭文字をとったコーチングのフレームワークです。広く知られた対話の枠組みで、特別な準備がなくても会話の流れを整える指針として使えます。
四つの段階を順にたどることで、漠然とした願望が具体的な行動計画へと落ちていきます。
- Goal=どうなりたいか
- Reality=今どうなっているか
- Options=どんな手があるか
- Will=実際に何をするか
Goal 目標を明確にする
最初に、クライアントが何を達成したいのかを具体的に言語化してもらいます。健康になりたいのような抽象的な目標は、半年後に階段で息切れせず上れるようになりたいのように、観察可能な形に近づけていきます。
目標が本人の言葉で語られるほど、その後の行動への当事者意識が高まります。
Reality 現状を正確に捉える
次に、現在の状況を事実ベースで確認します。今の運動習慣、生活、体力、過去の取り組みなどを質問で引き出します。ここで指導者が評価や批判を挟むと本音が出にくくなるため、まずは事実を一緒に整理する姿勢が大切です。
Options 選択肢を広げる
目標と現状のギャップを埋める方法を、できるだけ多く挙げてもらいます。最初から一つに絞らず、まず量を出すことで、本人が思いつかなかった現実的な手段が見えてくることがあります。
指導者は専門知識から選択肢を補足できますが、押し付けにならないよう、こういう方法もありますと提示にとどめる配慮が有効です。
Will 行動を決める
最後に、挙げた選択肢の中から本人が実行するものを選び、いつ・どのくらい・どうやって行うかを具体化します。実行可能性が低い計画は途中で挫折しやすいため、ややハードルを下げた現実的な一歩を選ぶよう促します。
- 何を・いつ・どこで行うかを決める
- 実行を妨げそうな要因を先に話し合う
- 次回に振り返るタイミングを約束する
運動指導での活用と注意
GROWは万能の台本ではなく、対話の見取り図です。順番にこだわりすぎて尋問のようになると逆効果なので、相手の話の流れに合わせて段階を行き来して構いません。
健康課題や痛みが背景にある場合は、目標設定の前に医療的な配慮が必要かを確認し、必要なら専門職への相談を優先します。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
GROWモデルは毎回使うべきですか
毎回全段階を厳密に行う必要はありません。目標設定や行き詰まりの振り返りなど、節目の対話で活用すると効果的です。日常の短いやりとりでは一部だけ使う形でも構いません。
選択肢が出てこないときはどうしますか
現状の把握が不十分なことが多いため、一度Realityに戻って状況を整理します。それでも出にくければ、指導者が選択肢を提示しつつ本人に選んでもらう形に切り替えます。
目標が現実離れしているときは
頭から否定せず、現状とのギャップを一緒に確認します。大きな目標を小さな中間目標に分けることで、現実的で前向きな計画に落とし込めます。
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