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プリシード・プロシードモデルで健康企画を設計する

健康増進のプログラムを場当たり的でなく体系的に設計したいとき、プリシード・プロシードモデルは診断から評価までを一貫して支える有用な枠組みになります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

モデルの全体像

プリシード・プロシードモデルは、グリーンらによって提唱された健康増進・健康教育の計画と評価の枠組みです。「アセスメント(診断)」から始まり、計画・実施・評価へと進む流れを段階的に整理している点が特徴です。

前半のプリシード部分で課題と要因を診断し、後半のプロシード部分で実施と評価を行うという二段構えの構造を持ちます。最終的に到達したい生活の質(QOL)から逆算して計画を立てる「アウトカムからの後ろ向き設計」が基本的な発想です。

QOLと健康課題の把握

モデルの出発点は、対象集団の生活の質(QOL)を把握することです。そのうえで、QOLに影響する健康課題を特定します。最終目標を先に定めることで、その後の介入がぶれにくくなります。

行動・環境とその要因の分析

健康課題に影響する行動的要因と環境的要因を整理し、さらにそれらを生み出す背景を分析します。ここでは要因を3つに分類して考えるのが特徴です。

  • 準備要因:知識・態度・信念・価値観など、行動の動機づけに関わるもの
  • 強化要因:家族・友人・指導者からの反応など、行動を維持・強化するもの
  • 実現要因:技術・資源・利用しやすさなど、行動を可能にする条件

実施と評価の段階

プロシード部分では、診断に基づいて実際にプログラムを実施し、その過程と成果を評価します。評価はプロセス評価・影響評価・成果評価といった複数の水準で行い、計画と実施のずれや効果を確認します。

評価結果を次の計画に反映させることで、改善を繰り返すサイクルとして機能します。

運動・保健指導への活用

このモデルは、運動教室や生活習慣改善プログラムの設計にも応用できます。たとえば「運動習慣を増やす」という行動目標に対し、準備要因(運動の効果への理解)、強化要因(仲間や家族の応援)、実現要因(通いやすい環境)を分けて整理すると、介入のポイントが明確になります。

活用時の留意点

モデルは要因を網羅的に検討できる反面、丁寧に行うと手間がかかります。現場の規模や目的に応じて要素を取捨選択し、過度に複雑化させないことが実用上のコツです。診断の質が最終的な効果を左右するため、対象集団の実態把握を丁寧に行うことが重要です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

プリシードとプロシードはそれぞれ何を指しますか。

プリシードは介入前のアセスメント(診断)段階、プロシードは実施と評価の段階を指します。診断から評価までを一連の流れとして扱う点がこのモデルの特徴です。

準備要因・強化要因・実現要因の違いは何ですか。

準備要因は行動の動機づけ、強化要因は行動を維持する周囲の反応、実現要因は行動を可能にする技術や資源を指します。3つに分けることで介入の的を絞れます。

小規模な運動教室でも使えますか。

使えます。すべての要素を厳密に分析しなくても、行動目標に対する3つの要因を整理するだけで、介入の重点が見えやすくなります。

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