脱水判定と運動性低Naの危険を語れる
📋 前提 基礎生理
- 1. 体液区画
- 2. 主要電解質と運動
- 3. 脱水の判定
- 4. 低Na血症(運動性)の危険
- 5. 補給戦略
- 6. 易しい比喩
- 7. 章末問題
- 参考文献
体重の60-65%が水。トレーナーが扱うパフォーマンス・回復・安全のすべてが水分電解質バランスに依存する。Cheuvront & Kenefick(Compr Physiol 2014)と ACSM Position Stand(2007/2022改訂)を骨子に整理する。
1. 体液区画
| 区画 | 体重比 | 主要陽イオン |
|---|---|---|
| 細胞内液(ICF) | 40% | K⁺ |
| 細胞外液(ECF):間質 | 15% | Na⁺ |
| ECF:血漿 | 5% | Na⁺ |
2. 主要電解質と運動
- Na⁺:血漿浸透圧の主決定因子。発汗で失う最大量。
- K⁺:神経筋伝達の核。低K血症で筋けいれん。
- Ca²⁺:筋収縮・凝固。骨代謝の指標。
- Mg²⁺:300以上の酵素補因子。不足で疲労・けいれん。
- Cl⁻:胃酸・酸塩基平衡。
3. 脱水の判定
USG(尿比重)1.020以上、尿色チャート4以上、体重減少率2%以上のいずれかで脱水と判定[1]。
4. 低Na血症(運動性)の危険
長時間運動で水だけを多量摂取するとhyponatremia(≦135mEq/L)が起き、頭痛・嘔吐・痙攣・意識障害を呈する。マラソン完走者の最大13%に発生例[2]。電解質飲料を併用することが必須。
5. 補給戦略
| 状況 | 飲料 | 量・頻度 |
|---|---|---|
| 60分未満の運動 | 水でOK | のどの渇きで |
| 60-90分 | 4-8%糖質+Na⁺ 20-30mEq/L | 15分ごと150-250ml |
| >90分・高温 | 同上+重炭酸 or BCAA | 体重減少を体重1%以内に |
6. 易しい比喩
体は「3つのバケツ(細胞内・間質・血漿)」。それぞれに違う塩水が入っており、運動で穴があく(汗)と全バケツが連動して水位が変わる。Naを足さずに水だけ流し込むと血漿の塩分が薄まり、神経が混乱する。
7. 章末問題
- 細胞内液の主要陽イオンは何か。
- 脱水判定のUSG閾値を答えよ。
- 運動性低Na血症の血清Na閾値を答えよ。
- 60-90分運動の推奨糖質濃度を答えよ。
- 体重減少率の安全閾値を答えよ。
参考文献
- Cheuvront SN, Kenefick RW. Compr Physiol. 2014;4(1):257-285.
- Hew-Butler T et al. Clin J Sport Med. 2015;25(4):303-320.
- Sawka MN et al. ACSM Position Stand. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(2):377-390.
3つの体液区画とNa/K/Ca/Mg/Clを覚える歌
テーマソング / cortis music
サウナで代謝を上げる方法を科学的に解説する歌
📚 参考文献・推奨エビデンス
- McArdle WD et al.. (2023). Exercise Physiology: Nutrition, Energy, and Human Performance, 9th Edition. Lippincott.
- ACSM. (2021). ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th Edition. Wolters Kluwer.
- Kenney WL et al.. (2022). Physiology of Sport and Exercise, 7th Edition. Human Kinetics.
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📚 参考文献・推奨エビデンス
- McArdle WD et al.. (2023). Exercise Physiology: Nutrition, Energy, and Human Performance, 9th Edition. Lippincott.
- Bassett DR & Howley ET. (2000). Limiting factors for maximum oxygen uptake and determinants of endurance performance. Med Sci Sports Exerc. DOI
- Kenney WL et al.. (2022). Physiology of Sport and Exercise, 7th Edition. Human Kinetics.