脂質 ― ホルモンと細胞膜の材料
飽和・不飽和脂肪酸の分類、オメガ3/6バランス、必須脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの基礎を解説します。
脂肪酸の分類
| 分類 | 特徴 | 代表的な食品 | 健康への影響 |
|---|---|---|---|
| 飽和脂肪酸 | 二重結合なし・常温で固体 | バター・ラード・ココナッツオイル・肉の脂身 | 過剰摂取でLDL上昇。総エネルギーの7%以下推奨 |
| 一価不飽和脂肪酸(オメガ9) | 二重結合1つ | オリーブオイル・アボカド・ナッツ類 | LDL低下・HDL維持。地中海食の中心 |
| 多価不飽和脂肪酸(オメガ6) | 二重結合2つ以上 | 大豆油・コーン油・ひまわり油 | 必須だが過剰で炎症促進 |
| 多価不飽和脂肪酸(オメガ3) | 二重結合2つ以上 | 青魚・亜麻仁油・えごま油・くるみ | 抗炎症・中性脂肪低下・脳機能向上 |
オメガ3/6の比率
理想比率:オメガ6:オメガ3 = 2〜4:1
現代の日本人の平均比率は約10:1と大幅に偏っている。オメガ6過剰は慢性炎症・アレルギー・動脈硬化のリスクを高める。
改善策:サラダ油→オリーブオイルへ変更、青魚を週3回以上、亜麻仁油を小さじ1杯/日(加熱不可)。
必須脂肪酸
リノール酸(オメガ6)
細胞膜の構成成分。アラキドン酸に変換され、プロスタグランジン(炎症性)を産生。1日摂取目安:8〜11g。不足すると皮膚炎・成長障害。大豆油・コーン油・ごま油に豊富。
α-リノレン酸(オメガ3)
体内でEPA→DHAに変換(変換率は5〜15%と低い)。抗炎症作用。1日摂取目安:2g以上。えごま油・亜麻仁油・くるみに豊富。直接EPA/DHAを摂る方が効率的(青魚・フィッシュオイル)。
トランス脂肪酸
植物油の水素添加で生成される人工脂肪酸。マーガリン・ショートニング・加工食品に含有。LDLを上昇させHDLを低下させる最悪の脂質。WHOは総エネルギーの1%未満(約2g)を推奨。日本人の平均摂取量は0.7%で基準内だが、洋菓子・ファストフード多食者は注意。
コレステロール(HDL/LDL)
LDL(悪玉)
肝臓→末梢組織へコレステロールを運搬。140mg/dL以上で高LDL血症。酸化LDLが動脈壁に蓄積→動脈硬化。飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取で上昇。運動・食物繊維・オメガ3で低下。
HDL(善玉)
末梢組織→肝臓へコレステロールを回収(逆転送)。40mg/dL未満で低HDL血症。有酸素運動で上昇、喫煙・肥満で低下。HDL/LDL比が0.4以上が理想。
1日の脂質摂取量目安:総エネルギーの20〜30%(44〜67g / 2,000kcal基準)。トレーニング中でも体重×0.8〜1.2g/日は確保する。ホルモン合成(テストステロン等)に不可欠。
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📚 参考文献・推奨エビデンス
- Thomas DT et al.. (2016). American College of Sports Medicine Joint Position Statement: Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. DOI
- Phillips SM & Van Loon LJC. (2011). Dietary protein for athletes: From requirements to optimum adaptation. J Sports Sci. DOI
- Stanhope KL. (2016). Sugar consumption, metabolic disease and obesity. Crit Rev Clin Lab Sci. DOI
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