行動分析学

機能的アセスメント:行動の目的を読み解く

同じ行動でも、その背景にある機能は人や場面によって異なります。行動の見た目ではなく、何のために起きているかに注目するのが機能的アセスメントです。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

行動の機能とは

行動の機能とは、その行動が本人にとってどのような結果をもたらしているか、つまり何のために維持されているかを指します。行動分析学では、行動はその結果によって維持されると考えます。

見た目が同じ行動でも、注目を得るためか、不快なものから逃れるためかで、必要な対応はまったく異なります。

主な機能の分類

行動の機能は、いくつかの代表的なカテゴリーで整理されることが多いです。

  • 注目や関わりを得るための行動
  • 嫌な課題や状況から逃れるための行動
  • ものや活動を得るための行動
  • 感覚的な刺激そのものを得るための行動

情報の集め方

機能的アセスメントでは、まず本人や周囲への聞き取りや記録の確認といった間接的な方法で情報を集めます。次に、実際の場面を観察してABCの関係を記録します。

これらの情報から、その行動がどんな機能を持つかについての仮説を立てます。

仮説を検証する

立てた仮説は、環境を少し変えてみて行動が変わるかどうかで確かめます。仮説どおりに行動が変化すれば、その機能の見立てが支持されます。

仮説が外れた場合は、別の機能の可能性を検討し直します。決めつけず、観察に基づいて修正を重ねる姿勢が重要です。

運動指導への応用

たとえば、ある会員が特定の種目を繰り返し避ける場合、それが難しさからの回避なのか、痛みの不安からなのかで対応が変わります。回避の機能を読み違えると、適切な支援になりません。

機能を見極めたうえで、同じ目的をより望ましい形で満たせる代替行動を用意することが、根本的な支援につながります。

専門性と連携

機能的アセスメントは観察と仮説検証の手続きであり、丁寧な訓練を要します。配慮が必要な対象や複雑なケースでは、行動分析や心理の専門職と連携することが望まれます。

また、痛みや体調に関わる回避行動では、自己判断で介入せず医療職に相談することが安全につながります。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

機能的アセスメントとABC分析の関係は何ですか

ABC分析は行動の前後関係を記録する基本的な手法で、機能的アセスメントはそれを含めて行動の目的を読み解く包括的なプロセスです。

同じ行動でも対応が変わるのですか

はい。見た目が同じでも機能が異なれば、効果的な対応も変わります。機能を読み違えると支援がうまくいきません。

誰が機能的アセスメントを行うべきですか

基本的な観察は学べますが、解釈や介入設計には専門知識が必要です。配慮の必要なケースでは専門職との連携が前提になります。

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