行動科学

動機づけ面接で変わりたい気持ちを引き出す

説得して動かすのではなく、本人の中にある変わりたい気持ちを引き出す対話法を学びます。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

動機づけ面接とは

動機づけ面接は、本人の中にある変わりたいという動機を引き出し、強めることを目指す協働的な対話の方法です。もともと依存問題の支援から発展し、健康行動の支援にも広く応用されています。

指導者が一方的に説得するのではなく、本人と協力しながら変化への動機を育てる点が特徴です。

両価性に向き合う

人は変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちを同時に抱えることがよくあります。これを両価性と呼びます。

動機づけ面接では、この揺れ動く気持ちを自然なものとして受け止め、変わりたい側の気持ちを本人自身が語れるように関わります。

基本となる姿勢

動機づけ面接の土台には、いくつかの基本姿勢があります。これらは特定のテクニック以前の関わり方の土台です。

  • 協働: 指示ではなく本人と一緒に取り組む
  • 受容: 本人を尊重し自律性を認める
  • 喚起: 答えを与えず本人から引き出す
  • 思いやり: 本人の利益を第一に考える

抵抗を強めない

正論で説得しようとすると、かえって本人が反発し、変わらない理由を語り始めることがあります。動機づけ面接では、この対立を避けることを重視します。

説得や指示を控え、本人の言葉に耳を傾けることで、防御的な反応を引き出さずに対話を進めます。

チェンジトークを引き出す

本人が口にする、変わりたい・変われそうという方向の言葉をチェンジトークと呼びます。動機づけ面接では、開かれた質問や聞き返しを通じて、こうした言葉を引き出し、ふくらませます。

本人が自分の言葉で変化の理由を語るほど、動機が強まりやすいとされます。

現場での活用と限界

運動指導でも、説得より引き出す姿勢は継続支援に役立ちます。一方で、動機づけ面接は本来訓練を要する専門的な手法であり、見よう見まねで完全に再現できるものではありません。基本姿勢を学びつつ、重い心理的問題は心理職や医師に委ねる役割分担が大切です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

動機づけ面接は説得とどう違いますか

説得は外から理由を与えますが、動機づけ面接は本人の中にある動機を引き出す点が異なります。対立を避け協働する姿勢が中核です。

両価性とは何ですか

変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちを同時に抱える状態です。自然な現象として受け止め、変わりたい側を引き出します。

運動指導者がそのまま使ってよいですか

基本姿勢は参考になりますが、本来は訓練を要する専門手法です。重い心理的問題は心理職や医師に連携するのが適切です。

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