コーチング基礎
変わりたい気持ちを引き出す関わり
人は説得されると、かえって抵抗を強めることがあります。動機づけ面接は、本人の中にある変わりたい気持ちを引き出すアプローチです。
動機づけ面接とは
動機づけ面接は、行動変容に伴う迷いに寄り添いながら、本人自身の動機を引き出すことを重視するコミュニケーションのスタイルです。もともと依存や生活習慣の支援領域で発展し、健康行動の支援にも広く応用されています。
指導者が正論で押し切るのではなく、本人が自ら変わりたいと語れるように関わる点が特徴です。
両価性を理解する
人は変わりたいと、今のままがいいという相反する気持ちを同時に抱くことがあります。これを両価性と呼びます。運動を始めたいが面倒、という状態はごく自然です。両価性を否定せず、まず受け止めることが出発点になります。
説得の落とし穴を避ける
やったほうがいいですよと正論を重ねると、相手はでもと反論を始め、自分で変わらない理由を語ってしまうことがあります。これは説得が逆効果になる典型例です。指導者が変化を主張するほど、本人が現状維持を語る構図に陥りやすくなります。
- 正論の押し付けは抵抗を生みやすい
- 本人の選択の自由を尊重する
- 対立ではなく協働の姿勢をとる
チェンジトークを引き出す
本人が口にする、変わりたい・やってみたいという前向きな言葉をチェンジトークと呼びます。もし運動が続いたら、どんな良いことがありそうですかといった質問で、本人自身に変化のメリットを語ってもらうと、動機が高まりやすくなります。
共感と肯定を土台にする
動機づけ面接は、傾聴や共感的な理解、本人の強みへの肯定といった基本姿勢の上に成り立ちます。技法だけを使っても、相手を変えようと操作する態度が透けると効果は薄れます。あくまで本人の主体性を尊重することが核心です。
現場での適用範囲
動機づけ面接は運動習慣や食習慣の支援に役立ちますが、専門的な治療を要する状態に対しては医療職の関与が前提になります。摂食や心理的な問題が疑われる場合は、自己流で対応せず、適切な専門職や医療機関への連携を優先します。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
動機づけ面接はどんな人に向きますか
変わりたい気持ちと現状維持の気持ちの間で迷っている人に特に向きます。すでに強い意欲がある人には、行動計画づくりに重点を移すほうが効率的です。
正しい情報を伝えてはいけないのですか
情報提供は必要です。ただし一方的な説得にならないよう、相手の許可を得てから伝え、最終的な判断は本人に委ねる姿勢が大切です。
専門資格がなくても使えますか
基本的な姿勢は日常の支援に活かせますが、臨床的な問題への本格的な適用には専門的な学びと医療連携が前提になります。範囲を見極めて使うことが重要です。
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