教育工学

アダプティブラーニング(適応型・個別最適化学習)

学習者の理解度に応じて提示する内容を変えるアダプティブラーニングは、個別最適化を目指す教育工学の考え方です。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

アダプティブラーニングの考え方

アダプティブラーニングは、学習者一人ひとりの理解度や回答の傾向に応じて、提示する教材や問題の難易度を調整する学習方法です。全員に同じ内容を同じ順序で与えるのではなく、必要なところを重点的に学べるようにします。

背景には、理解が早い人と時間が必要な人で最適な学習経路が異なる、という考え方があります。

どのように調整されるか

システムは学習者の解答や進捗を手がかりに、次に提示する内容を決めます。理解が不十分な箇所には補足や易しい問題を、十分な箇所には次の段階を提示する、といった分岐が行われます。

  • 正誤や所要時間などの記録を手がかりにする
  • 苦手な領域を重点的に復習させる
  • 理解済みの領域は飛ばして効率化する

利点

得意な部分に時間をかけすぎず、苦手な部分を集中的に学べるため、学習効率が高まることが期待されます。自分の理解に合った内容が出るため、難しすぎる・易しすぎるという不一致を減らせます。

限界と注意点

調整の質は、教材の作り込みと判定の仕組みに依存します。質の低い設計では、見かけ上の個別化にとどまり効果が出ません。また、知識の確認には向いても、実技や対人的な学びまで自動で最適化することは難しい領域です。

技術に任せきりにせず、指導者による観察やフォローと組み合わせる視点が重要です。

専門職教育での位置づけ

前提知識のばらつきが大きい受講者集団では、各自の理解度に応じて基礎を補える点が役立ちます。基礎知識の個別補強をアダプティブに行い、応用や実技は対面で扱う、といった併用が現実的です。

導入時の検討事項

高度なシステムを導入しなくても、理解度確認の結果に応じて次の課題を分ける、といった簡易な仕組みから始めることができます。目的に対して過剰な仕組みにしないことが大切です。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

アダプティブラーニングには高価なシステムが必要ですか。

本格的なものはシステムを要しますが、理解度に応じて課題を分けるなど、簡易な形から始めることもできます。

AIと同じ意味ですか。

AIを用いる例もありますが、必須ではありません。学習者に応じて内容を変える考え方自体を指します。

実技指導にも使えますか。

知識の個別補強には向きますが、実技は指導者の観察と組み合わせる必要があります。

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