動作分析
オーバーヘッドスクワットによる動作分析
両腕を頭上に挙げてしゃがむオーバーヘッドスクワットは、全身の可動性と安定性を一度に観察できる代表的な動作評価です。
オーバーヘッドスクワットを使う理由
オーバーヘッドスクワットは、足部・足関節・膝・股関節・脊柱・肩甲帯・肩関節という多くの部位が同時に関与する複合動作です。そのため、一つの動作で全身の制限を効率よくスクリーニングできます。
上肢を挙上したまましゃがむことで、下肢だけのスクワットでは見えにくい体幹や肩まわりの制限も表面化しやすくなります。
基本的な実施方法
肩幅程度に足を開き、バーや棒を頭上に保持したまま、できる範囲でしゃがみます。観察者は正面・側面・後方から動きを確認し、できれば動画で記録します。
回数は数回で十分です。疲労で動作が崩れる前の、自然な動きを観察することが大切です。
- 正面・側面・後方の三方向から観察する
- 棒を頭上に保持したまましゃがむ
- 疲労前の自然な動作を記録する
正面から見る観察ポイント
正面では、膝が内側に入る傾向、左右の重心の偏り、足部の過度な開きやアーチのつぶれなどを確認します。膝が内側に入る動きは、股関節や足部の機能と関連することが多い所見です。
- 膝が内側に入らないか
- 左右の重心バランスは均等か
- 足部のアーチがつぶれていないか
側面から見る観察ポイント
側面では、上半身が前方に倒れ込む程度、腰椎が丸まる動き、腕が前方に流れる動きなどを観察します。上半身が大きく前傾する場合、足関節の背屈や股関節、胸椎の可動性が関係していることがあります。
代償動作の解釈
観察された代償は、その部位だけの問題とは限りません。例えば腕が前に流れる動きは、肩の柔軟性だけでなく胸椎の伸展可動性が影響することがあります。一つの所見を複数の可能性から考える姿勢が重要です。
代償の原因を切り分けるには、補助を加えて再評価する方法を組み合わせると有効です。
現場での活用と限界
オーバーヘッドスクワットは全体像をつかむスクリーニングとして優れていますが、これ単独で原因を確定することはできません。気になった部位は個別の可動性や安定性のテストでさらに掘り下げます。
肩や腰に痛みがある場合や、頭上保持が難しい場合は無理に行わず、より負担の少ない代替動作を選びます。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
オーバーヘッドスクワットで上半身が前傾するのはなぜですか。
足関節の背屈制限、股関節の可動性低下、胸椎の伸展制限など複数の要因が考えられます。かかとに台を入れて再評価すると、足関節由来かどうかを切り分けやすくなります。
何回しゃがんで観察すればよいですか。
数回で十分です。多く繰り返すと疲労で動作が変わるため、疲労前の自然なパターンを記録することを優先します。
肩に痛みがある人にも行ってよいですか。
頭上保持で痛みが出る場合は避け、腕を胸の前で組むなど負担の少ない代替動作に切り替えます。痛みを我慢させて評価しないことが原則です。
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