動作分析

動画を活用した動作分析の進め方

スマートフォンの動画撮影は、肉眼では追いきれない速い動きを記録し、繰り返し観察できる手軽で有効な手段です。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

動画を使う利点

肉眼の観察は一度きりで、速い動きや細かい順序を見逃しやすいという限界があります。動画なら、スロー再生や一時停止、繰り返し再生によって、その場では気づけない動きの細部までとらえられます。

前後の比較も容易で、介入前後の変化を本人と一緒に確認できる点も大きな利点です。

撮影の基本設定

観察したい動作に合わせて、正面・側面・後方のうち必要な方向から撮影します。カメラは三脚や台で固定し、動作中ぶれないようにします。被写体全体が画面に収まるよう距離を取ります。

明るい環境で、背景がごちゃつかない場所を選ぶと観察しやすくなります。

  • カメラを固定してぶれを防ぐ
  • 全身が収まる距離を確保する
  • 明るく背景の整理された場所を選ぶ

観察の方向を決める

見たい所見によって撮る方向を選びます。膝の内外の動きや左右差は正面・後方、前傾や腰の丸まりは側面が観察しやすくなります。一つの動作を複数方向から撮ると情報が増えます。

スロー再生と比較の活用

撮影後はスロー再生で動きの順序やタイミングを確認します。左右の脚を並べて再生したり、初回と再評価時の映像を並べたりすると、変化や非対称が分かりやすくなります。

気になる瞬間で一時停止し、関節の位置関係を静止画として確認するのも有効です。

  • スロー再生で順序とタイミングを確認
  • 左右を並べて比較する
  • 前後の映像を並べて変化を見る

本人へのフィードバックに使う

動画は本人に動きを見せながら説明できるため、言葉だけよりも理解が深まります。自分の動きを客観的に見ることで、修正すべき点を自覚しやすくなります。

ただし、欠点ばかりを強調すると意欲を下げることがあるため、できている点も合わせて伝える配慮が大切です。

プライバシーと記録管理

撮影には本人の同意を得て、用途と保存方法を説明します。映像は個人を特定できる情報であるため、保管や共有には十分配慮し、不要になったものは適切に管理します。

撮影が目的化しないよう、得られた情報を指導につなげることを常に意識します。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

高価な機材がないと動画分析はできませんか。

スマートフォン一台でも十分実践できます。固定して撮影し、スロー再生機能を使うだけで多くの情報が得られます。まずは手元の機材から始めて問題ありません。

どの方向から撮ればよいですか。

見たい所見で決めます。膝の内外の動きや左右差は正面・後方、前傾や腰の丸まりは側面が見やすくなります。可能なら複数方向から撮ると情報が増えます。

撮影した動画はどう管理すべきですか。

本人の同意を得たうえで、個人情報として保管・共有に配慮します。用途を明確にし、不要になった映像は適切に整理することが望ましいです。

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