発達心理学

運動発達:動きはどのような順序で育つか

運動発達には共通する順序性があります。その原則と目安を知ることで、子どもの運動指導における無理のない課題設定がしやすくなります。

レベル 入門〜実践監修 日原 裕太 NSCA-CPT

運動発達の基本原則

運動発達には、いくつかの方向性をもった原則があるとされています。これらは個人差を前提としたおおまかな傾向です。

  • 頭部から下方へ:首すわりが先で、立つ・歩くは後になる傾向
  • 中心から末梢へ:体幹に近い大きな動きが先に育ち、指先の細かい動きは後
  • 全体から分化へ:大ざっぱな動きから、しだいに洗練された動きへ

粗大運動の発達

粗大運動とは、寝返り、座る、はう、立つ、歩く、走るといった、身体全体を使う大きな動きを指します。乳幼児期に順を追って獲得されていきます。

首すわり、座位、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩きといった順序はおおむね共通しますが、時期には大きな幅があります。

微細運動の発達

微細運動は、手や指を使う細かな動きです。物をつかむ、つまむ、道具を操作するといった能力が、粗大運動の発達と並行して育っていきます。

握る動きから、親指と人差し指でつまむ動きへと精緻化していくのが一般的な流れです。

基本的動作スキルの広がり

幼児期から児童期にかけて、走る・跳ぶ・投げる・捕る・蹴るといった基本的な動作スキルが発達します。これらは将来の多様なスポーツの土台になります。

この時期に多様な動きを経験することが、後の運動能力の幅を広げると考えられています。特定の動きの偏った反復より、遊びを通じた幅広い経験が推奨されます。

成熟と経験の役割

運動発達は、身体や神経系の成熟という内的な準備と、実際に動く経験の両方によって進みます。準備が整っていない動きを早く教え込もうとしても、効果は限られます。

一方で、安全な環境で多様に動く機会を用意することは、発達を後押しする重要な要素です。

指導と安全への配慮

子どもの運動指導では、発達段階に合った難易度を選び、成功体験を積めるようにすることが大切です。難しすぎる課題は意欲を下げる原因になります。

目安より明らかに遅れが気になる場合は、決めつけず、保護者を通じて専門機関への相談を促す姿勢が望まれます。

医療免責

本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。

よくある質問

粗大運動と微細運動の違いは何ですか。

粗大運動は座る・歩く・走るなど身体全体を使う大きな動き、微細運動は手指を使う細かな動きです。両者は並行して発達していきます。

運動発達の順序は誰でも同じですか。

首すわりから歩行へといった順序はおおむね共通しますが、獲得の時期には大きな個人差があります。順序は目安として理解するのが適切です。

幼児期に特定の競技を専門的に練習させるべきですか。

一般には、特定の動きの偏った反復より、遊びを通じて多様な動きを経験することが、後の運動能力の幅を広げると考えられています。

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