二次障害
廃用症候群:動かないことで生じる二次的な障害
病気やけがそのものではなく、過度の安静や不活動が原因で生じる心身の機能低下を廃用症候群と呼びます。リハビリが早期離床を重視する背景には、この予防という大きな目的があります。
廃用症候群の概要
廃用症候群は、長期の臥床や活動制限によって全身のさまざまな機能が低下する状態の総称です。原疾患の治療が進んでも、不活動が続くと回復を妨げる二次的な問題が積み重なります。
高齢者では数日の安静でも顕著に影響が出ることがあり、若年者より進行が早い傾向があります。
主な症状
廃用症候群は身体だけでなく、循環や精神面にも及びます。複数の症状が同時に現れ、互いに悪循環を起こすことがあります。
- 筋萎縮・筋力低下:使わない筋が痩せて力が出にくくなる
- 関節拘縮:関節を動かさず可動域が狭くなる
- 起立性低血圧:起き上がった際にめまいや立ちくらみが起きる
- 骨量減少:荷重刺激の不足で骨がもろくなる
- 心肺機能の低下や食欲不振、意欲低下なども生じうる
なぜ進行が早いのか
筋や骨、循環器系は、適度な負荷や刺激があることで機能を保っています。負荷が極端に減ると、身体は不要な機能として急速に適応的に低下させます。
特に下肢の抗重力筋や心血管系は、臥床の影響を受けやすい部位として知られています。
予防の基本
廃用症候群は、起きてしまうと回復に時間がかかるため、予防が最も重要です。安全が確保できる範囲で早期に身体を動かし、座る・立つ・歩くといった抗重力位の活動を取り入れることが基本になります。
- 可能な範囲で離床や座位の時間を確保する
- 関節を全可動域で動かし拘縮を防ぐ
- 急な起き上がりは血圧変動に注意して段階的に行う
運動支援での視点
生活期の対象者でも、入院や安静を経た後は廃用の影響が残っていることがあります。以前の活動量を急に求めず、現在の状態を確認しながら段階的に負荷を上げます。
起立性低血圧によるふらつきや転倒のリスクには特に注意し、体調変化があれば中止して医療職に相談します。
医療免責
本記事は教育目的の学習コンテンツです。診断・治療行為を代替するものではありません。痛み・しびれ・急性外傷・発熱・進行性の症状や、医師から運動制限を受けている場合は、自己判断で進めず医師・国家資格者にご相談ください。
よくある質問
どのくらいの安静で廃用は始まりますか。
個人差がありますが、筋力は安静が続くと比較的早期から低下し始めるとされます。特に高齢者では数日でも影響が出ることがあり、できる範囲での活動維持が重要です。
廃用症候群は元に戻りますか。
適切な運動で改善が見込める部分もありますが、回復には発症までより長い時間がかかることが多いとされます。だからこそ予防が最優先になります。
起立性低血圧にはどう対応しますか。
急に立ち上がらず、寝た姿勢から座位、立位へと段階的に体勢を変えます。めまいやふらつきが出たら無理をせず、症状が続く場合は医療職に相談します。
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