第3章:プログラムプランニング (2/6)

第3章:プログラムプランニング

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Q151インシーズン(試合期)のトレーニングプログラムの特徴として正しいのはどれか。

A. オフシーズンと同じ高ボリュームのトレーニングを継続する
B. 試合でのパフォーマンス発揮・疲労管理を優先し、オフシーズンで構築した体力の維持を目的とする低ボリューム・高強度の維持プログラムに切り替える
C. 試合期にはフィジカルトレーニングは一切不要
D. インシーズンは有酸素トレーニングのみ行い、レジスタンストレーニングは禁止
正答: B
インシーズン(競技期)のトレーニングはオフシーズンで構築した体力の維持(Maintenance)が主目的となる。試合・練習による疲労が蓄積するため、トレーニングボリュームをオフシーズンの30〜50%程度まで削減しながら、強度は比較的高く(1RMの80〜85%以上)維持する。週1〜2回の高強度・低ボリュームのレジスタンストレーニングで体力維持が可能とされている。
Q152ピリオダイゼーション(周期化)の目的として最も適切なのはどれか。

A. 常に最大強度でトレーニングして最短で筋力を向上させること
B. 計画的にトレーニング刺激を変化させることで、過適応・オーバートレーニングを防ぎながら長期的に最大のパフォーマンス向上を目指すこと
C. 全てのアスリートに同一のプログラムを適用して効率を上げること
D. 特定の期間だけ集中的にトレーニングし、残りの期間は全く休む方式
正答: B
ピリオダイゼーションはHans Selye の一般適応症候群(GAS)理論を基礎とし、適切なストレス→適応→回復のサイクルを計画的に操作する手法である。マクロサイクル(1年程度)・メソサイクル(数週〜数ヶ月)・マイクロサイクル(1週間)の階層構造でトレーニング変数(ボリューム・強度・種目)を系統的に変化させることで、プラトーの打破とピーキングを実現する。
Q153リニアピリオダイゼーション(線形周期化)の特徴として正しいのはどれか。

A. 毎週または毎月ランダムに強度と量を変動させる
B. 時間の経過とともに段階的にボリュームを低下させ強度を上昇させる(一般→特異性への移行)
C. 全ての期間で同じ強度・ボリュームを維持する
D. 強度を一定に保ちながらボリュームのみを徐々に増加させる
正答: B
リニア(線形)ピリオダイゼーションは最もクラシックな手法であり、トレーニング期間の初期は高ボリューム・低強度から始め、時間の経過とともにボリュームを低下させながら強度(負荷)を段階的に増加させる。一般準備期(筋量・基礎体力構築)→特殊準備期(筋力・パワー)→競技期(ピーキング)の流れが典型的である。
Q154ウェーブローディング(波状ピリオダイゼーション)の特徴として正しいのはどれか。

A. 年間を通じて強度・ボリュームが直線的に増加する
B. 週単位または日単位で強度とボリュームを波状に変動させ、より頻繁な刺激変化を提供する
C. 月単位でのみ変化させ、週単位での変動は行わない
D. 主にマラソン選手のみに適用される手法
正答: B
ウェーブローディング(非線形/波状ピリオダイゼーション)は週内または日内で強度・ボリュームを変動させる。例えば月曜は高強度(5RM)、水曜は中強度(10RM)、金曜は低強度(15RM)のように設定する。リニアモデルより変化の頻度が高く、中級者・上級者でリニアモデルのプラトーを打破するのに有効とされる。
Q155「漸進性過負荷の原則(Progressive Overload)」を具体的に実践する方法として正しいものはどれか。

A. 毎回のトレーニングで使用重量を最大限上げ続ける(週5〜10%の増加)
B. 重量・反復数・セット数・頻度・動作難易度のいずれかを段階的に増加させることで継続的な適応を促す
C. 漸進性過負荷は初心者のみに適用され、上級者には不要
D. 一度到達したレベルを長期間維持し、向上を目指さない
正答: B
漸進性過負荷は筋力・体力向上の基本原則であり、身体が適応した後にさらなる向上を得るためには継続的に刺激を増大させる必要がある。重量増加が最も一般的であるが、反復数の増加、セット数追加、休息時間短縮、動作の難易度上昇(より不安定な環境)、頻度増加なども有効な漸進方法である。過度に急激な負荷増加は怪我リスクを高めるため、5〜10%/週以下の増加が一般的な指針となる。
Q156「特異性の原則(SAID:Specific Adaptation to Imposed Demands)」の説明として正しいのはどれか。

A. 全ての種目は全ての目標に同等の効果をもたらす
B. 身体はトレーニングで加えられた特定の刺激(動作パターン・エネルギーシステム・強度)に特異的に適応する
C. 特定のスポーツには必ず特定のマシン種目のみが有効
D. 特異性とは休息時間のことを指すトレーニング用語
正答: B
SAID原則(Specific Adaptation to Imposed Demands)は、身体は加えられた刺激の特性に応じた特異的適応を示すことを意味する。例えばスクワットでは下半身筋力が向上するが水泳力には直接的な改善はなく、有酸素トレーニングは有酸素能力を、無酸素トレーニングは無酸素能力を選択的に向上させる。プログラム設計時に目標と種目・エネルギーシステムの一致を検討する根拠となる原則。
Q157「可逆性の原則」の説明として正しいのはどれか。

A. 一度獲得した体力適応は永久に維持される
B. トレーニングを中断すると、獲得した生理的適応は徐々に失われる(デトレーニング)
C. 若年者では可逆性は生じないが、高齢者では急速に適応が失われる
D. 可逆性の原則は心肺系にのみ適用される
正答: B
可逆性の原則(Reversibility Principle)は「Use it or lose it」とも表現され、トレーニングを中断すると体力適応が失われることを示す。有酸素能力(VO2max)はトレーニング中断後2〜4週で低下が顕著となり、筋力は数週〜数ヶ月で低下する。この原則はクライアントに継続的なトレーニングの重要性を説明する際の科学的根拠となる。
Q158「個別性の原則(Individual Differences)」が示す内容として正しいのはどれか。

A. 全てのクライアントは同一のプログラムに同じように反応するため、標準化されたプログラムが最善
B. 遺伝的素因・トレーニング経験・年齢・性別・健康状態の違いにより、同じプログラムでも個人によって適応の大きさや速度が異なる
C. 個別性の原則は競技アスリートにのみ適用され、一般クライアントには不要
D. 遺伝の影響は最小限であり、適切なトレーニングで誰でも同じレベルに到達できる
正答: B
個別性の原則はプログラム設計の基礎であり、クライアントごとの遺伝的特性(筋線維組成・代謝効率)、年齢・性別・ホルモン環境、トレーニング経験・健康状態を考慮してプログラムをカスタマイズする必要性を示す。これがCPT(パーソナルトレーナー)の重要な職能であり、画一的なプログラムではなく個人のアセスメントに基づく設計が求められる理由でもある。
Q159有酸素トレーニングのFITT原則(Frequency, Intensity, Time, Type)における強度の設定方法として適切でないものはどれか。

A. 最大心拍数の割合(%HRmax)
B. 心拍予備量(HRR)を使ったKarvonen法
C. 1回のセッションで持ち上げた総重量
D. 代謝当量(METs)や主観的運動強度(RPE)
正答: C
有酸素トレーニングの強度設定には%HRmax(最大心拍数の割合)、Karvonen法(心拍予備量利用)、VO2max/VO2R(酸素摂取予備量)の割合、METs(代謝当量)、RPE(主観的運動強度)などが用いられる。総重量(セット×回数×重量)はレジスタンストレーニングのボリューム指標であり、有酸素強度の設定方法ではない。NSCA-CPT試験では各指標の適切な使用場面を理解することが求められる。
Q160運動のターゲットゾーン(目標心拍数ゾーン)をKarvonen(心拍予備量)法で計算する際の公式として正しいのはどれか。

A. 目標心拍数 = 最大心拍数 × 目標強度%
B. 目標心拍数 = (最大心拍数 − 安静時心拍数) × 目標強度% + 安静時心拍数
C. 目標心拍数 = 最大心拍数 − 安静時心拍数
D. 目標心拍数 = 安静時心拍数 × 目標強度%
正答: B
Karvonen法(心拍予備量法)では、まず心拍予備量(HRR)= 最大心拍数 − 安静時心拍数 を算出し、目標心拍数 = HRR × 目標強度% + 安静時心拍数 で計算する。例えば最大心拍数200拍/分、安静時心拍数60拍/分の場合、60%強度の目標心拍数 = (200-60) × 0.60 + 60 = 144拍/分となる。%HRmax法より個人の安静時心拍数を考慮するため、より精度が高い方法とされる。
Q46SAID原則(Specific Adaptation to Imposed Demands)を最も適切に説明しているものはどれか。

A. あらゆるトレーニングは全身均等に適応をもたらす
B. 身体は与えられた特定の需要に特異的に適応する
C. 高強度のトレーニングのみが適応を引き起こす
D. トレーニング様式に関わらず、総カロリー消費量が適応を決定する
正答: B
SAID原則は特異性の原則の基礎をなす概念であり、身体は課された特定の需要(動作様式、強度、エネルギーシステム等)に対して特異的に適応することを意味する。ランニングトレーニングは有酸素持久力を、バーベルスクワットは下肢の筋力・筋肥大を主に向上させる。プログラム設計の根幹となる原則。
Q47特異性の原則をプログラム設計に応用した例として最も正しいものはどれか。

A. 水泳選手のオフシーズンにマラソントレーニングを中心に行う
B. 野球の投手がショルダープレスと回旋筋腱板エクササイズを重点的に行う
C. 短距離走者がVO2max向上のために週5回の長距離走を行う
D. すべての競技者に同一のトレーニングプログラムを適用する
正答: B
特異性の原則を正しく応用するには、競技動作に特異的なトレーニングを行う必要がある。野球の投手は肩・肘の安定性と回旋動作が重要であり、ショルダープレスや回旋筋腱板強化エクササイズは競技特異的な筋群に適合する。水泳選手に対するマラソントレーニング、短距離走者への長距離走などはSAID原則に反する。
Q48過負荷の原則における「プログレッシブオーバーロード」の正しい説明はどれか。

A. 身体が適応する前に次のトレーニングに移行すること
B. 身体が現在の負荷に適応したら、さらに大きな刺激を与えてさらなる適応を促すこと
C. 常に最大重量を使用してトレーニングを行うこと
D. 毎回のセッションで新しいエクササイズを導入すること
正答: B
プログレッシブオーバーロード(漸進的過負荷)とは、身体が現在のトレーニング刺激に適応した後、負荷・量・頻度・強度などのトレーニング変数を段階的に増加させ、継続的な適応を引き出す手法。適応が起こった後も同じ刺激を維持するとプラトーに達する。NSCAでは週1〜10%の負荷増加が推奨される。
Q49漸進的過負荷として適切な週次の負荷増加率はどれか。

A. 毎週50%ずつ増加させる
B. 毎週2〜10%の範囲で増加させる
C. 毎週0.5%未満の増加にとどめる
D. 月に1度だけ負荷を見直す
正答: B
NSCAのガイドラインでは、毎週の負荷増加は2〜10%の範囲が推奨される。上半身種目では2.5〜5kg、下半身種目では5〜10kgが目安となることが多い。50%の急激な増加は組織損傷やケガのリスクを著しく高める。過度に少ない増加では適応刺激が不十分となりプラトーが生じる。
Q50可逆性の原則に関して、有酸素能力(VO2max)と筋力の低下速度を比較した場合、正しい記述はどれか。

A. 筋力はVO2maxより速く低下する
B. VO2maxはトレーニング中止後2〜4週間で低下し始め、筋力より速く低下する傾向がある
C. 両者の低下速度に差はない
D. 筋力は永久に維持されるがVO2maxは消失する
正答: B
可逆性の原則において、有酸素能力(VO2max)はトレーニング中止後2〜4週間から低下が始まる。一般的に有酸素能力は筋力より速く低下する。筋力は神経系の適応が比較的長く維持されるため、数週間〜数カ月のディトレーニングでも有酸素能力ほどの急速な低下は示しにくい。
Q51個別性の原則に影響を与える主な要因として最も包括的に挙げているものはどれか。

A. トレーニング歴のみ
B. 遺伝的素因、性別、年齢、健康状態、トレーニング歴、生活習慣
C. 年齢と性別のみ
D. 食事内容のみ
正答: B
個別性の原則は、同じトレーニングプログラムでも個人によって適応の程度が異なることを示す。この差異に影響する要因として、遺伝的素因(筋線維タイプ比率、ホルモン感受性等)、性別(ホルモン環境)、年齢(成長期・高齢者)、健康状態、過去のトレーニング歴、睡眠・栄養などの生活習慣が挙げられる。
Q52筋力向上を目的としたレジスタンストレーニングにおいて、セット間の休息時間として推奨されるのはどれか。

A. 30秒以下
B. 60〜90秒
C. 3〜5分
D. 休息は取らない(コンティニュアスセット)
正答: C
最大筋力向上のためには、神経筋系の十分な回復が必要であり、セット間3〜5分の休息が推奨される。主エネルギー系はATP-PCr系であり、このシステムの完全回復には約3〜5分を要する。短すぎる休息では次のセットで十分な力発揮が不可能となり、筋力向上よりも筋持久力・筋肥大の刺激に近づく。
Q53筋肥大を目的とした場合のセット間休息時間として最も適切なものはどれか。

A. 5分以上
B. 30〜90秒
C. 10〜15分
D. 休息は取らず連続で行う
正答: B
筋肥大トレーニングでは、代謝ストレスの蓄積(乳酸・水素イオン等)が重要な刺激の一つであるため、短〜中程度の休息(30〜90秒)が推奨される。この短い休息時間は成長ホルモン・テストステロンなどの同化ホルモン分泌を増加させ、代謝ストレスを高める効果がある。5分以上の長い休息では代謝ストレスが軽減され、筋力トレーニング的な刺激に近くなる。
Q54筋持久力を目的とした場合のセット間休息時間として最も適切なものはどれか。

A. 3〜5分
B. 30秒以下
C. 2〜3分
D. 5〜10分
正答: B
筋持久力トレーニングでは不完全な回復状態での反復が目的であり、セット間休息は30秒以下(ほとんど回復しない状態)が推奨される。これにより乳酸系や有酸素系のエネルギー供給能力が鍛えられ、毛細血管密度・ミトコンドリア密度の増加といった代謝的適応が促進される。
Q55RIR(Reps in Reserve:余力回数)の概念として正しいものはどれか。

A. 1セット中に実際に行ったレップ数
B. セットを終了した時点で、追加でできたと思われる反復回数の推定値
C. 最大挙上回数(1RM)から実際の挙上回数を引いた値
D. 疲労回復に要するレップ数
正答: B
RIR(Reps in Reserve)は、あるセットを終了した時点で、限界(オールアウト)になる前にあと何回できたかを主観的に推定した値。例えばRIR2はあと2回できる状態でセットを終了したことを意味する。RIR0はオールアウト、RIR3〜4は余裕があることを示す。RPEスケールとともに強度のモニタリングに活用され、1RM%の代替指標として実用的。

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