第6章:栄養学 (2/3)

第6章:栄養学

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Q51脂溶性ビタミンの過剰症として問題になりやすいものはどれか。

A. ビタミンCとビタミンB群
B. ビタミンAとビタミンD
C. ビタミンB12と葉酸
D. ビタミンKとビタミンB1
正答: B
脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は体内(主に肝臓と脂肪組織)に蓄積されるため過剰摂取により毒性が生じる。特にビタミンAの急性過剰症(頭痛、嘔吐、肝障害)とビタミンDの過剰症(高カルシウム血症による腎石灰化)が臨床的に問題になる。水溶性ビタミン(B群・C)は余剰分が尿中に排泄されるため過剰症になりにくい。
Q52ビタミンDが不足しやすいアスリートの特徴として最も正しいものはどれか。

A. 屋外で長時間トレーニングするアスリート
B. 魚介類を多く摂取するアスリート
C. 主に屋内でトレーニングし、日光曝露が少ないアスリート
D. 乳製品を日常的に摂取するアスリート
正答: C
ビタミンDは皮膚が紫外線B波(UVB)を受けることで合成されるため、屋内トレーニング主体の選手(体操、水泳、バレーボールなど)は不足リスクが高い。ビタミンDは食品(魚類、卵黄、強化食品)からも摂取できるが、食事だけで必要量を満たすのは難しい。不足すると筋力低下、骨密度低下、免疫機能低下が生じる。
Q53B群ビタミンがエネルギー代謝において果たす役割として正しいものはどれか。

A. 直接的なエネルギー(カロリー)を供給する
B. 解糖系、クエン酸回路、電子伝達系における補酵素として機能する
C. タンパク質の分解のみに関与する
D. 脂質の合成にのみ関与する
正答: B
B群ビタミン(B1チアミン、B2リボフラビン、ナイアシン、B6ピリドキシン、パントテン酸など)は主に三大栄養素のエネルギー代謝における補酵素として機能する。チアミンはピルビン酸脱水素酵素の補酵素、リボフラビンはFAD(電子伝達系)の構成要素、ナイアシンはNAD⁺の構成要素として解糖系・クエン酸回路・電子伝達系を支える。
Q54カルシウムの骨代謝における役割として正しいものはどれか。

A. カルシウムは骨の硬さに関与せず、軟組織の機能のみに関与する
B. ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)として骨の構造を形成し、骨強度を維持する
C. カルシウムは骨密度に影響しない
D. カルシウムの摂取量は骨粗鬆症予防に関係しない
正答: B
カルシウムはリンとともにハイドロキシアパタイト[Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂]として骨基質に沈着し、骨の硬さと強度を形成する。骨はカルシウムの約99%を貯蔵する。血中カルシウム低下時には副甲状腺ホルモン(PTH)が骨からのカルシウム溶出を促進する。ビタミンDはカルシウムの腸管吸収を促進し、骨形成を支援する。
Q55ヘム鉄と非ヘム鉄の違いとして正しいものはどれか。

A. 非ヘム鉄の方が吸収率が高い
B. ヘム鉄は動物性食品(肉・魚)に含まれ吸収率が15〜35%と高く、非ヘム鉄は植物性食品に多く吸収率が2〜20%と低い
C. ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収率は同等である
D. 非ヘム鉄はビタミンCとともに摂取すると吸収率が低下する
正答: B
ヘム鉄はヘモグロビンやミオグロビンに結合した鉄で、主に赤身肉・レバー・魚に含まれ吸収率が15〜35%と高い。非ヘム鉄は植物性食品(ほうれん草、豆類など)や乳製品・卵に含まれ、吸収率は2〜20%と低い。ただし非ヘム鉄の吸収率はビタミンCとの同時摂取で向上し、タンニン・フィチン酸は吸収を阻害する。
Q56マグネシウムが筋機能において果たす役割として正しいものはどれか。

A. 筋収縮には関与せず、骨代謝のみに関与する
B. ATPの活性化、筋収縮と弛緩の調節、神経伝達に関与し、不足すると筋けいれんが起こりやすくなる
C. マグネシウムはナトリウムと同じ働きをするため代替可能である
D. 激しい運動中のマグネシウム不足は起こりえない
正答: B
マグネシウムはATP(MgATP複合体として機能)の活性化に必要で、筋収縮・弛緩の調節、神経伝達、300以上の酵素反応の補因子として機能する。激しい運動時は汗・尿からの損失が増加し、不足すると筋けいれん、神経過敏、疲労が生じやすい。筋力トレーニング選手やエンデュランス選手ではマグネシウム需要が高まる。
Q57亜鉛とテストステロンの関係として正しいものはどれか。

A. 亜鉛の摂取量はテストステロン産生に影響しない
B. 亜鉛はテストステロン産生に必要な補酵素として機能し、不足するとテストステロンレベルが低下する可能性がある
C. 亜鉛を過剰摂取するとテストステロンが無制限に上昇する
D. 亜鉛サプリメントは正常な亜鉛レベルの人でもテストステロンを大幅に向上させる
正答: B
亜鉛はテストステロン合成に必要な酵素の補因子として機能し、生殖機能や男性ホルモン産生に重要な役割を担う。亜鉛欠乏はテストステロンレベルの低下と相関することが示されている。ただし、亜鉛が正常レベルにある人がサプリメントを追加摂取してもテストステロンが大幅に上昇するエビデンスは限定的である。
Q58運動中に体重の何%が脱水すると、持久的パフォーマンスに明確な低下が生じるとされているか。

A. 0.5%以下
B. 約2%
C. 5〜7%
D. 10%以上にならなければ影響しない
正答: B
研究により、体重の約2%の脱水で持久的パフォーマンス(最大酸素摂取量の低下、主観的運動強度の上昇、体温調節能力の低下)が明確に低下することが示されている。脱水が体重の5%に達すると最大50%のパフォーマンス低下が報告されており、さらなる脱水は熱中症や生命危機のリスクとなる。
Q59脱水の症状について、体重減少の割合と症状の対応として正しいものはどれか。

A. 体重の1〜2%:意識消失、体重の5%:軽度の口渇
B. 体重の1〜2%:軽度の口渇・パフォーマンス低下、体重の5〜6%:頭痛・集中力低下、体重の7〜10%:筋けいれん・幻覚・脱水症
C. 体重の1〜2%:筋けいれん、体重の3〜4%:意識消失
D. 脱水は体重の10%未満では症状が現れない
正答: B
体重の1〜2%の脱水で口渇感とパフォーマンス低下が始まる。3〜4%で筋力・持久力の著明な低下。5〜6%で頭痛、倦怠感、集中力低下。7〜10%で筋けいれん、幻覚、循環不全。10%以上では生命の危機となる。口渇感を感じた時点では既に1〜2%の脱水が始まっているため、口渇を待たずに定期的な水分補給が推奨される。
Q60スポーツドリンクの浸透圧分類と特徴として正しいものはどれか。

A. 高張液は水分吸収が最も速く、運動中の使用に最も適している
B. 等張液(浸透圧280〜320mOsm/L)は体液と同様の浸透圧であり、水分と電解質を同時に補給できる
C. 低張液は高い糖質濃度のため、長時間運動のエネルギー補給に最適である
D. 浸透圧は運動パフォーマンスとは無関係である
正答: B
等張液は体液と同じ浸透圧(約280〜320mOsm/L)で、水分と電解質を効率よく補給でき60〜90分の運動に適している。低張液(<280mOsm/L)は水分吸収が速いが電解質・エネルギー補給は少ない。高張液(>320mOsm/L)は糖質を多く含むため腸管での水分吸収を一時的に遅らせる可能性があり、エネルギー補給に適するが運動中の水分補給には注意が必要。
Q61低ナトリウム血症(運動誘発性)の予防策として正しいものはどれか。

A. 運動中に水だけを体重増加するほど大量に摂取する
B. 電解質(特にナトリウム)を含む飲料を摂取し、水分摂取量は体重増加しない程度に抑える
C. 運動中は一切水分を摂取しない
D. 運動後にのみ水分補給を行う
正答: B
運動誘発性低ナトリウム血症の予防には、ナトリウムを含むスポーツドリンクの摂取と体重が増加しない程度の水分摂取管理が重要。体重減少した場合はプラスの水分補給が必要だが、運動前体重より増加するほどの過剰摂取が低ナトリウム血症の主因となる。長時間の持久運動(マラソン、トライアスロン等)で特にリスクが高い。
Q62運動後の水分補給の目安として正しいものはどれか。

A. 体重減少量に関わらず、500mLで十分
B. 運動後の体重減少1kgに対して約1.2〜1.5Lの水分補給が推奨される
C. 運動後は水分補給より固形物の摂取を優先する
D. 運動後は脱水状態が継続しても身体は自然に回復するため補給不要
正答: B
運動後の水分補給目安は、体重減少量の約120〜150%を数時間かけて摂取することが推奨される(例:体重1kg減少→1.2〜1.5Lの補給)。電解質(ナトリウム)も同時に補給することで水分保持率が高まる。体重測定により脱水量を把握することが最も正確な補給量の算出法である。
Q63運動の3時間前に摂取する食事の特徴として最も適切なものはどれか。

A. 高脂肪・高食物繊維・高タンパク質の大量の食事
B. 消化しやすい低〜中GI炭水化物中心(200〜300g)に中程度のタンパク質を加えた食事
C. 炭水化物を完全に除いたタンパク質のみの食事
D. 固形物は一切摂取せず液体のみとする
正答: B
運動2〜4時間前(代表的には3時間前)には消化しやすい低〜中GIの炭水化物(パスタ、オートミール、バナナ等)を中心に、中程度のタンパク質と少量の脂質を摂取することが推奨される。高脂肪・高食物繊維食は消化に時間がかかり胃腸不快感の原因となる。この時間帯の食事でグリコーゲンを補充しておくことが重要。
Q64運動後の「アナボリックウィンドウ(同化作用の窓)」に関する最新の考え方として正しいものはどれか。

A. 運動後30分以内に摂取しなければ筋タンパク質合成は全く起こらない
B. 運動後の栄養摂取タイミングは重要だが、1日の総タンパク質摂取量と摂取分配の方が重要とされ、窓は2時間以上持続するとも言われる
C. アナボリックウィンドウは24時間以上続くため、タイミングは全く関係ない
D. 運動後はタンパク質より糖質の摂取が最優先であり、タンパク質は翌朝の食事で摂取すれば十分
正答: B
従来の「30分ウィンドウ」概念は近年更新されており、1日の総タンパク質摂取量・摂取回数・均等分配の方がタイミングより重要とされる研究も増えている。ただし運動後30〜120分以内の摂取が有利であることも示されており、特に空腹でトレーニングした場合や高齢者では摂取タイミングの影響が大きい。実際には運動後できるだけ速やかに摂取することが現実的な推奨となる。
Q65就寝前のカゼインタンパク摂取の効果として正しいものはどれか。

A. 就寝前のタンパク質摂取は体脂肪増加を招くため、避けるべきである
B. 就寝前に40gのカゼインタンパクを摂取すると、夜間の筋タンパク質合成が促進され、翌朝の筋タンパク質分解が抑制される
C. 就寝前にホエイを摂取する方がカゼインより効果が高い
D. 就寝前のタンパク質摂取は睡眠の質を著しく低下させる
正答: B
Res(レス)らの研究をはじめとする複数の研究で、就寝前の40gカゼインタンパク摂取が夜間(7〜8時間)の筋タンパク質合成を促進することが示されている。カゼインの緩やかな消化・吸収特性が持続的なアミノ酸供給をもたらす。ホエイは吸収が速いため、就寝前より運動直後に適している。
Q66空腹時(ファスティング)トレーニングに関する科学的見解として正しいものはどれか。

A. 空腹時トレーニングは必ず筋量の減少を引き起こす
B. 空腹時の有酸素トレーニングは脂肪酸化の割合を増加させるが、24時間の総脂肪燃焼への優越性は確立されておらず、高強度トレーニングではパフォーマンスが低下する
C. 空腹時トレーニングは筋タンパク質合成を食後の2倍に増加させる
D. 空腹時トレーニングには健康リスクがなく、すべてのクライアントに推奨すべきである
正答: B
空腹時の有酸素運動は運動中の脂肪酸化割合を増加させるが、24時間の総エネルギー代謝や脂肪減少への長期的優越性はエビデンスが限定的。高強度インターバルトレーニングや筋力トレーニングでは空腹時のパフォーマンス低下が生じやすい。筋タンパク質分解のリスクや血糖低下による気分不良等、個人差も大きいため一律には推奨できない。
Q67クレアチンモノハイドレートの一般的なローディングプロトコルとして正しいものはどれか。

A. 1g/日を1年間継続摂取する
B. 20g/日(4〜5回に分けて)を5〜7日間摂取し、その後3〜5g/日の維持量に移行する
C. 50g/日を2日間摂取することで素早くローディングが完了する
D. ローディングは不要で、3〜5g/日の摂取で1週間以内に効果が現れる
正答: B
標準的クレアチンローディングは20g/日(5g×4回)を5〜7日間摂取してクレアチン飽和を達成し、その後3〜5g/日の維持量に移行するプロトコルである。ただし、ローディングなしで3〜5g/日を約4週間継続しても同様の筋クレアチン飽和が達成できる(エビデンスあり)。モノハイドレート形態が最もエビデンスが充実し、コストパフォーマンスも優れる。
Q68クレアチン摂取による体重増加の主な原因はどれか。

A. 体脂肪の増加
B. 筋肉内の水分保持(細胞内液の増加)
C. 骨密度の急激な上昇
D. 胃腸内の食物残渣の増加
正答: B
クレアチン摂取直後(ローディング期)の体重増加は主に筋細胞内への水分保持(浸透圧効果による細胞内液増加)によるもので、0.5〜2.0kgの体重増加が報告される。長期的には筋タンパク質合成の促進による除脂肪体重増加も起こる。体脂肪増加はクレアチンの直接的な効果ではなく、オーバーカロリー状態に起因する場合に生じる。
Q69カフェインの有効用量として、パフォーマンス向上に科学的エビデンスがある範囲はどれか。

A. 0.5〜1mg/kg(コーヒー1口程度)
B. 3〜6mg/kg(運動60分前)
C. 10〜15mg/kg(大量摂取)
D. 0.1mg/kg以下(極微量)
正答: B
カフェインの有効用量は3〜6mg/kg(体重70kgで210〜420mg)であり、運動開始60分前の摂取が推奨される。この用量で持久的パフォーマンス、高強度間欠的運動、筋持久力の向上が示されている。9mg/kg以上では効果の追加は乏しく、不安、振戦、不眠、頻脈などの副作用が増加する。コーヒー1杯(200mL)に約80〜120mgのカフェインが含まれる。
Q70BCAAサプリメントについての現在のエビデンスに基づく正しい記述はどれか。

A. BCAAは完全タンパク質(ホエイ等)より筋タンパク質合成への効果が高い
B. 十分な食事タンパク質を摂取している場合、BCAAサプリメントの筋タンパク質合成に対する追加的効果は限定的である
C. BCAAは他の必須アミノ酸なしに筋タンパク質を完全に合成できる
D. BCAAはクレアチンと同等の高強度運動パフォーマンス向上効果を持つ
正答: B
筋タンパク質合成には全9種の必須アミノ酸が必要であり、BCAAだけでは完全なMPSを達成できない。十分な食事タンパク質(ホエイ等の完全タンパク質)を摂取している人への BCAAサプリメントの追加効果は限定的とされる。ただしカロリー制限中や食事タンパク質が不十分な状況では、BCAAが筋分解抑制に役立つ可能性がある。

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