第9章:特殊集団 (2/4)

第9章:特殊集団

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Q56青少年のレジスタンストレーニングにおいて推奨される負荷レベルはどれか。

A. 初回から1RMの最大負荷で実施する
B. 正しいフォームで12〜15回反復できる重量から開始し、良好なフォームが維持されてから漸増する
C. 体重の2倍以上のバーベルスクワットを初日から行う
D. 負荷は関係なく回数のみを増やす
正答: B
NSCAのガイドラインでは、青少年(特に初心者)は正しいテクニックで12〜15回反復可能な軽〜中程度の負荷(最大挙上重量の50〜70%程度)から開始することを推奨する。フォームの完成度を最優先とし、2〜3セットを週2〜3回実施する。負荷の増加は1〜2kgまたは前回負荷の5〜10%以内とし、段階的に進める。
Q57青少年の早期スポーツ特化型トレーニング(アーリースポーツ・スペシャライゼーション)の弊害として正しいものはどれか。

A. スポーツ特化は早ければ早いほど競技成績が向上する
B. 年間を通じた単一スポーツへの専念はオーバーユース傷害・燃え尽き症候群・中退リスクの増大と関連する
C. 複数スポーツへの参加は技術習得を妨げる
D. スポーツ特化型は骨格の成長を促進する
正答: B
複数のエビデンスが、小学生〜中学生段階での単一スポーツ特化が、ストレス骨折などのオーバーユース傷害リスクの増大・燃え尽き症候群・スポーツからの早期撤退と関連することを示している。米国小児科学会(AAP)やNSCAは、少なくとも思春期前まで多種目スポーツへの参加を奨励し、週あたり1日以上・年間3ヶ月以上の休息期間を推奨している。
Q58ユーススポーツにおける燃え尽き症候群(バーンアウト)の主な原因と対処法として正しいものはどれか。

A. 運動が少なすぎることが主原因であり、トレーニング量の増加で解決する
B. 過度なトレーニング負荷・過剰なプレッシャー・楽しさの喪失が主因であり、休息・多様化・内発的動機づけの回復が重要
C. 燃え尽き症候群は気合不足が原因であり、精神力の強化のみが解決策
D. 燃え尽き症候群は成人にのみ発症し、青少年には関係ない
正答: B
ユーススポーツの燃え尽き症候群は、過剰なトレーニング・試合スケジュール、親や指導者からの過度な期待・プレッシャー、身体的・精神的疲労の蓄積、楽しさの消失が複合的に関与する。対処法としては、定期的な休息期間の設定、多種目スポーツへの参加、スポーツの楽しさの再確認、コーチ・保護者とのオープンなコミュニケーション、内発的動機づけの育成が重要。
Q59青少年(思春期前)の有酸素能力の特徴として正しいものはどれか。

A. 思春期前は最大酸素摂取量(絶対値L/min)が成人と同等である
B. 体重あたりのVO2maxは高いが、無酸素解糖系能力(乳酸産生能力)が相対的に低く、高強度インターバルには成人より疲弊しにくい特徴がある
C. 思春期前の子どもは有酸素トレーニングへの適応がほとんどない
D. 乳酸産生能力が高いため無酸素運動が得意
正答: B
思春期前の子どもは体重あたりのVO2max(mL/kg/min)は比較的高いが、無酸素解糖系の酵素活性(PFK:ホスホフルクトキナーゼ)が低く、乳酸産生能が低い。そのため高強度のインターバルトレーニングで乳酸性疲労が生じにくく、短いインターバルの繰り返し運動(遊びのような活動)に適している。有酸素トレーニングへの適応も生じるが、成人ほどのVO2max改善はみられにくい。
Q60青少年が熱ストレスに特に脆弱な理由として正しいものはどれか。

A. 子どもは成人より発汗能力が高いため熱中症リスクが高い
B. 体重あたりの体表面積が大きく、代謝熱産生が多く、発汗能力が低く、体液量が少ないため熱中症リスクが高い
C. 子どもは自律神経系が発達しており熱調節が完璧
D. 骨格筋量が少ないため熱産生が少なく低体温症のリスクのみがある
正答: B
青少年が熱ストレスに脆弱な理由は複数ある。①体重あたりの体表面積が成人より大きく輻射熱の吸収が多い、②同一強度運動での代謝熱産生が相対的に大きい、③発汗量が少なく蒸発冷却が不十分、④絶対的体液量が少なく脱水しやすい、⑤口渇感への反応が遅い。暑熱環境での運動では十分な水分補給、休憩、段階的な暑熱順化が必要。
Q61安定型狭心症と不安定型狭心症の違いとして正しいものはどれか。

A. 安定型狭心症は常に安静時に発症し、不安定型は運動時のみに発症する
B. 安定型狭心症は予測可能な労作時の胸痛でニトログリセリンが効き、不安定型は安静時・突然発症・増悪傾向があり急性冠症候群の前駆状態
C. 安定型は入院が必要で不安定型は自宅管理できる
D. 両者の区別は現代医学では意味がない
正答: B
安定型狭心症は一定以上の労作・ストレスで予測可能に生じる胸痛・圧迫感で、安静またはニトログリセリンで数分以内に緩解する。アテローム性固定狭窄が原因。不安定型狭心症は安静時の発症、以前より軽い労作での誘発、発作の増悪・延長(>20分)、新規発症を特徴とし、冠動脈プラーク破裂・血栓形成を原因とする急性冠症候群の一形態。不安定型は緊急入院適応。
Q62心筋梗塞後の心臓リハビリテーションの段階として正しいものはどれか。

A. Phase I(入院期)→ Phase II(外来監視期)→ Phase III(地域維持期)→ Phase IV(自主管理期)
B. Phase I(退院後自主管理)→ Phase II(入院集中リハビリ)の2段階のみ
C. 心臓リハビリは心筋梗塞後は禁忌
D. すべてのフェーズが入院施設内で行われる
正答: A
心臓リハビリテーションは4段階で構成される。Phase I(急性期:入院中、早期離床・日常動作指導)、Phase II(回復期:退院後3〜6ヶ月、医師・チームの監視下で段階的運動負荷)、Phase III(維持期:地域の施設での継続的運動、教育・生活習慣改善)、Phase IV(長期自主管理:在宅・地域での自主的継続)。心筋梗塞後の適切なリハビリはQOL改善・再発予防に有効。
Q63心不全患者への運動処方における一般的なMETs目標として適切なものはどれか。

A. 常に8 METs以上の高強度運動を処方する
B. 左室駆出率(EF)や機能評価に基づいて個別に処方し、初期は2〜3 METsから段階的に漸増する
C. 心不全患者への運動は永久に禁忌
D. METs制限はなく自覚症状のみを指標にする
正答: B
心不全(特にHFrEF:収縮不全)患者への運動処方は、心機能評価(NYHA分類、左室EF、運動負荷試験)に基づき個別化する。NYHA分類II〜IIIの安定した心不全患者では、低強度(2〜3 METs)から開始し、週2〜3回、セッション当たり10〜30分(分割実施可)で漸増する。有酸素運動(歩行・自転車)が基本で、HF-ACTION試験でリハビリによる入院・死亡リスク低減が示されている。
Q64末梢動脈疾患(PAD)の特徴的な症状である間欠性跛行(claudication)の定義として正しいものはどれか。

A. 安静時に生じる下肢の痙攣
B. 歩行・運動時に出現し、休息により数分以内に軽減する下肢の痛み・疲労感(主にふくらはぎ)
C. 夜間のみに出現する下肢の疼痛
D. 関節内の炎症による持続的な疼痛
正答: B
間欠性跛行はPADの主要症状で、運動時(特に歩行)に下肢(典型的にはふくらはぎ)に生じる疼痛・痙攣・疲労感であり、休息2〜5分で緩解する。下肢動脈の狭窄により運動需要に見合った血流供給が不足することで生じる(虚血性疼痛)。ABI(足関節上腕血圧比)<0.90がPADの診断基準。監視下歩行訓練が最も有効な運動療法。
Q65心房細動(AF)患者の運動管理において注意すべき点として正しいものはどれか。

A. 心房細動があれば運動は永久に禁忌
B. 心室レートのコントロール状態を確認し、抗凝固療法の有無・出血リスクを把握した上で、心拍数よりもRPEを用いて強度を管理する
C. 心室レートが高くても心拍数で強度管理できる
D. 抗凝固薬服用中は高強度運動が必須
正答: B
心房細動患者の運動管理では、①心室レートが安静時60〜80/分(活動時<110/分)にコントロールされているか確認、②抗凝固療法(ワーファリン・DOACなど)服用中は転倒・打撲による出血リスクに配慮(コンタクトスポーツ・転倒リスクの高い運動を避ける)、③AFでは心拍数が不規則なため心拍数よりRPE(11〜13程度)で強度管理、④症状(動悸・息切れ・めまい)に注意が必要。
Q66心臓リハビリにおけるリスク層別化で「高リスク」に分類されるのはどれか。

A. 安静時血圧が正常で無症状の患者
B. 運動中の複雑性不整脈、重度の左室機能低下(EF<35%)、運動誘発性虚血がある患者
C. 軽度の高血圧があるが安定した患者
D. 過去に軽微な心筋梗塞があり完全回復した患者
正答: B
ACSMのリスク層別化では、高リスクの特徴として①運動中に出現する重度の虚血(アンギナ・ST変化≥2mm)、②安静時または運動時の重度の左室機能低下(EF<35%)、③生命を脅かす複雑性不整脈(持続性心室頻拍など)、④心停止/突然死の既往、⑤合併する重篤な疾患、⑥不十分な自覚症状の認識などが含まれる。高リスク患者は医師・チームの厳重な監視下で運動を実施する。
Q67運動中に直ちに中止すべき循環器系の兆候として正しいものはどれか。

A. 運動中の通常の発汗と顔面紅潮
B. 胸部の締め付け感(アンギナ)、失神・失神前兆(めまい)、急激な呼吸困難、チアノーゼ
C. 筋肉の軽度の疲労感
D. 運動後の一時的な筋肉痛
正答: B
運動中止の主要な兆候:①アンギナ(胸部・顎・左腕への放散痛)、②失神・失神前兆(突然の強いめまい・視野変化)、③収縮期BP>250mmHgまたは拡張期BP>115mmHg、④SPO2<85%(心肺疾患患者)、⑤過度の息切れ・会話不能、⑥チアノーゼ(唇・指先の青紫色)、⑦下肢浮腫・突然の歩行困難。これらは医療緊急事態の可能性を示す。
Q68インスリン抵抗性のメカニズムとして最も正確なものはどれか。

A. 膵臓がインスリンを全く産生できない状態
B. インスリン受容体やシグナル伝達系の機能低下により、骨格筋・肝臓・脂肪組織でのグルコース取り込みが減少した状態
C. インスリンが過剰産生される状態
D. インスリンが体外に排泄される状態
正答: B
インスリン抵抗性は、インスリン受容体(特にIRSタンパク質)のリン酸化シグナル伝達(PI3K/Akt経路)の障害、GLUT4トランスポーターの細胞膜への移行(トランスロケーション)の減少、骨格筋・肝臓・脂肪細胞でのグルコース取り込み・利用の低下を特徴とする。内臓脂肪蓄積・慢性炎症・遊離脂肪酸の増加が主なメカニズム的誘因。
Q69運動による血糖降下効果のメカニズムとしてGLUT4に関する正しい記述はどれか。

A. 運動中はGLUT4が骨格筋の細胞膜から細胞内に取り込まれる
B. 運動(筋収縮)はAMPK経路(インスリン非依存的)を活性化してGLUT4を細胞膜へ移行させ、グルコースの取り込みを増加させる
C. GLUT4はインスリン依存的にのみ機能し、運動では影響を受けない
D. 運動中はGLUT4の発現が抑制される
正答: B
骨格筋収縮(運動)はAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)とCaMKII経路を活性化し、インスリン非依存的にGLUT4含有小胞を細胞膜へ移行させてグルコース取り込みを促進する。運動後24〜72時間はGLUT4の細胞膜への発現が持続的に増加し、インスリン感受性が向上する(运動後低血糖リスク)。これが2型糖尿病における運動の血糖改善メカニズムの中核。
Q702型糖尿病患者の運動中に低血糖リスクを軽減するための対策として正しいものはどれか。

A. 運動前に必ず大量の炭水化物を摂取する
B. 運動前の血糖値を測定し(100mg/dL未満なら補食)、運動中の補食を準備し、インスリン・スルホニルウレア服用者は運動前用量調整を医師に確認する
C. 運動中の補食は低血糖のリスクを高めるため避ける
D. 低血糖になってから対処すれば問題ない
正答: B
2型糖尿病患者(特にインスリンやスルホニルウレア薬服用者)の低血糖予防:①運動前の血糖確認(100mg/dL未満は15〜20gの炭水化物を摂取してから開始)、②運動中の血糖測定(30〜60分ごと、長時間運動時)、③速効性炭水化物(グルコースタブレット等)の携帯、④インスリン用量の事前調整(医師との相談)、⑤運動後数時間以内の低血糖(遅発性低血糖)への注意。
Q71糖尿病患者の運動開始基準として、運動を禁忌とする血糖値の基準はどれか。

A. 血糖値が100mg/dL以上の場合は運動禁忌
B. 血糖値が250mg/dL以上でケトン体陽性の場合、または血糖値が300mg/dL以上の場合は運動を避ける
C. 血糖値の値に関わらず常に運動できる
D. 血糖値が200mg/dL以上で全ての運動が禁忌
正答: B
ACSMの糖尿病患者の運動基準:血糖値<100mg/dLは低血糖リスクがあるため補食後に開始。血糖値>250mg/dLでケトン体陽性(主に1型糖尿病)の場合は運動により高血糖・ケトアシドーシスが悪化するため禁忌。血糖値>300mg/dLは症状の有無にかかわらず運動を避けることを推奨。300mg/dL未満・ケトン体陰性・無症状であれば慎重に実施可能な場合もある。
Q72糖尿病性自律神経症による無自覚性低血糖(Hypoglycemia Unawareness)への対応として正しいものはどれか。

A. 自覚症状がないため低血糖は問題ない
B. 自律神経障害により低血糖の警告症状(発汗・動悸等)が出現しないため、定期的な血糖モニタリングと医師への報告が必要
C. 高強度運動を推奨して血糖値を上昇させる
D. 低血糖の症状がなければ対応不要
正答: B
糖尿病性自律神経症では、交感神経系の障害により低血糖時のアドレナリン応答(発汗・動悸・手震え等の警告症状)が生じなくなる(無自覚性低血糖)。これにより危険なレベルまで血糖が低下しても自覚できないため、突然の意識消失リスクが高い。対処法:①運動前後の血糖測定を必須とする、②CGM(持続血糖測定器)の活用、③医師への報告と用量調整の相談、④同伴者への説明。
Q73糖尿病性末梢神経障害(ニューロパチー)を持つ患者への運動に関する注意点はどれか。

A. 足部の感覚低下があるため、衝撃の大きいランニングより足部への摩擦・圧迫が少ない種目(水泳・自転車)が推奨される
B. 神経障害があっても特別な配慮は不要
C. 高衝撃の運動のみが神経障害を改善する
D. ニューロパチーがある場合は運動禁忌
正答: A
糖尿病性末梢神経障害では足部の感覚(痛覚・温痛覚・振動覚)が低下するため、潰瘍・水疱・骨折が自覚されにくい。推奨される対応:①足に過度な衝撃や摩擦を与えない運動(水泳・自転車・上肢エルゴメーター・座位エクササイズ)を優先、②毎回の運動前後に足部を視覚的に確認(傷・水疱・発赤の有無)、③適切なフットウェアの着用、④足部感覚テスト(10g単繊維テスト等)の定期的実施。
Q74HbA1c(グリコヘモグロビン)の意義として正しいものはどれか。

A. HbA1cは1週間の平均血糖値を反映する
B. HbA1cは過去2〜3ヶ月の平均血糖値を反映し、糖尿病の長期的な血糖コントロール評価に使用される
C. HbA1cの目標値は全員で6.0%未満
D. HbA1cは食後すぐに変化するため食事の影響を受ける
正答: B
HbA1cは赤血球のヘモグロビンに非酵素的にグルコースが結合したものであり、赤血球の寿命(約120日)を反映して過去2〜3ヶ月の平均血糖を示す。糖尿病の診断・管理指標として広く使用される。一般的な管理目標はHbA1c<7.0%(ADA)だが、低血糖リスクが高い高齢者や合併症のある患者では個別化された目標(7.5〜8.0%以下)が設定される。
Q75高血圧の分類(ACC/AHAの2017年基準)において「ステージ2高血圧」に相当するものはどれか。

A. 収縮期BP 120〜129 mmHgかつ拡張期BP <80 mmHg
B. 収縮期BP 130〜139 mmHgまたは拡張期BP 80〜89 mmHg
C. 収縮期BP ≥140 mmHgまたは拡張期BP ≥90 mmHg
D. 収縮期BP <120 mmHgかつ拡張期BP <80 mmHg
正答: C
ACC/AHA 2017年基準:正常血圧<120/<80 mmHg、高値血圧(Elevated)120〜129/<80 mmHg、ステージ1高血圧130〜139/80〜89 mmHg、ステージ2高血圧≥140/≥90 mmHg、高血圧クライシス>180/>120 mmHg(緊急対応要)。旧JNC7基準では140/90 mmHg以上がステージ1だったが、2017年改訂でより厳格な基準が採用された。

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