症例ケーススタディ②:肩関節インピンジメント症候群(デスクワーカー38歳男性)の4週間改善プロトコル
ケーススタディ:肩インピンジメント症候群の12週間回復プログラム
実際のケーススタディを通じて、肩インピンジメント症候群への段階的アプローチを学びます。本記事では、40代男性デスクワーカーの肩インピンジメント症候群に対する12週間の実践プログラムのプロセスと成果を解説します。
ケース概要
♪ cortisトレーナー監修|筋トレ×食事タイミングを覚える歌
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 42歳男性・デスクワーク(週40時間以上)・週2回のジム通い経験 |
| 主訴 | 右肩の挙上時痛(60〜120°に強く出る)・夜間に増悪 |
| 受診歴 | 整形外科にて「右肩インピンジメント症候群」と診断。画像上の腱板断裂なし |
| 医師指示 | 炎症期終了後の理学療法・パーソナルトレーニング許可 |
| 目標 | 12週後に痛みなしでベンチプレス・オーバーヘッドプレスを再開 |
初期評価(第1週)
評価所見
- ホーキンス・ケネディテスト:陽性(肩峰下の痛み)
- 肩甲骨評価:右肩甲骨の前傾・内旋(翼状肩甲傾向)
- 筋力評価:右外旋筋(棘下筋・小円筋)の明らかな弱化
- 姿勢:前方頭位・胸椎後弯増大(猫背)
- ROM:右肩屈曲140°(左比較-20°)・外旋30°(左比較-20°)
問題の整理
- 外旋筋群(棘下筋・小円筋)の弱化 → ER/IR不均衡
- 前鋸筋・僧帽筋下部の弱化 → 肩甲骨の不適切な上方回旋不足
- 胸椎後弯増大 → 肩甲骨の前傾・肩峰下腔の狭窄を助長
- 小胸筋の短縮 → 肩甲骨前傾の原因
12週間プログラム設計
フェーズ1(1〜3週):炎症コントロール・関節可動域回復
| エクサ | 目的 | 設定 |
|---|---|---|
| スリーパーストレッチ | 後方関節包の伸展 | 30秒×3セット・1日2回 |
| クロスボディストレッチ | 後部肩甲骨のストレッチ | 30秒×3セット |
| 胸椎エクステンション(FR) | 胸椎可動域改善 | 10分・1日1〜2回 |
| 肩甲骨アクティブモーション | 肩甲骨モビリティ回復 | 各方向20回×2セット |
フェーズ2(4〜8週):筋力強化・肩甲骨安定化
| エクサ | 目的 | 週3回・設定 |
|---|---|---|
| サイドライイング外旋 | 棘下筋・小円筋強化 | 3×15・軽重量から |
| フェイスプル(ケーブル) | 後部三角筋・外旋筋群 | 3×15 |
| ウォールスライド | 前鋸筋・僧帽筋下部 | 3×12 |
| Yエクサ(バンド) | 僧帽筋下部 | 3×15 |
| ロウ(シートケーブル) | 肩甲骨後退・安定化 | 3×12 |
フェーズ3(9〜12週):機能統合・スポーツ復帰
- ナローグリッププッシュアップ(インピンジメントアークを避ける角度)
- インクラインダンベルプレス(45〜60°傾斜・ナローグリップ)
- オーバーヘッドプレス(段階的な角度・重量増加)
- ベンチプレス(最終週・フォーム確認後)
12週間の成果
| 評価項目 | 開始時 | 12週後 |
|---|---|---|
| VAS安静時痛 | 3/10 | 0/10 |
| VAS運動時痛(60〜120°) | 7/10 | 1/10(プレス系は0) |
| 屈曲ROM | 140° | 175° |
| 外旋ROM | 30° | 55° |
| ホーキンス・ケネディ | 陽性 | 陰性 |
| ベンチプレス(再開) | 不可 | 痛みなしで再開 |
ケーススタディから学ぶ教訓
- 根本原因へのアプローチ:「肩が痛い=肩を休める」ではなく、外旋筋弱化・姿勢・肩甲骨制御という根本原因への介入が重要
- 胸椎可動域の優先度:姿勢問題が解決しないと肩の問題は再発しやすい
- 段階的負荷の徹底:焦って強度を上げると逆戻り。各フェーズの目標達成を確認してから次段階に進む
肩関節疾患への対応と評価はNSCA-CPT試験対策でも学べます。
よくある質問(FAQ)
- Q:このプロトコルはすべての肩インピンジメントに適用できますか?
- A:本ケースは医師の診断・画像所見確認後にインピンジメント(腱板断裂なし)と確定した上での介入です。腱板の完全断裂・SLAP損傷・石灰沈着性腱板炎などでは別のアプローチが必要です。必ず医師の診断と許可を得た上で運動介入を開始してください。
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